悪魔の秘密と恋と嘘2【桃】

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婚約が決まって、これからどうするか話さないとやねって言ってたけど
あいにく淳太くんの仕事は忙しさを増すばかりでなかなか会えない日がまた続いた。


…唯一変わったこと、それは



美月「Aちゃん！？左手のソレ…！！！」


「……そうなんよ(笑)」


美月「どっち？！彼氏？旦那！？」


「…今はまだ、だけど、…もう少ししたら…」


美月「うっそー！！！！おめでとう！」



美月ちゃんにバレてしまい、
社内では一気に私の婚約の話が広まった。


それと同時に、男性陣から何となく距離を置かれた気がする。



大「…結局、どっちを取ったん？」



重岡以外は。



「……そりゃ、…今までお付き合いしてる人」


大「……へー」



今はお昼休憩で、重岡はカレー、私はうどんを注文し一緒に食べていた。



大「ま、婚約とまでなると向こうも出るに出れんやろ」


「……うん、」


大「ましてや、向こうもなんかしらのこれがおるんやったら」



右手でカレーを頬張りながら左手の小指だけ立てて私に見せつける。


そうや、望くんには、彼女さんか、婚約者がいたんやった。

…って、なに少し寂しくなってるの私。



「……話を聞かないまま店を出てん」


大「なんで？」


「……聞きたくなかったから…？」


大「…」



あやふやな私に、重岡の眉間にシワがよる。



大「……あのさ、Aの話聞いて思うんやけどさ。
…お前、婚約の話ちょっと納得してへんやろ」


「……え？」


大「お前押しに弱いもんなー仕事とかもさ。
恋愛もそうなんちゃうん？向こうに結婚しよー言われたら断れんみたいな」


「……っ、そ、そんな事ないっ」


大「……ふーん、ならええけど」



再びカレーに視線を戻す重岡。



大「後悔するくらいなら、ちゃんと蹴りつけや」


「………」



そんなのわかってる。


自分では、小瀧くんに会わない理由くらいわかる。

わかるけど、会いたくない。









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