ビターチョコ・シンドローム【赤】

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「えっ、合宿？」

大「そうそう、お前行くやろ？」



あれから数ヶ月後、私と大毅は特になんの変化もなく友だちを続けていた。

大毅は本当に私に告白してきたよね？と疑うほど、あの日から目立ったアタックはない。

私は大毅の告白に返事をしたわけでもなく、大毅も大毅で返事の催促はしてこなかった。


変わったことといえば、望くんが「最近しげが煙草に付き合ってくれん」と嘆いているくらいだ。


そして今日は久しぶりに所属している軽音サークルで組んでいるバンドの練習日だった。

近々ライブがあるらしく、それに出ようと練習をしていたのだ。

私が組んでいるバンドは、大毅がリードギター、照史さんがベース、神ちゃんがドラム、そして私がギターボーカルという4人で構成されている。

練習が終わり、みんなで機材を片付けている時に部長代行の大毅が夏休みの合宿の話を持ち出した。



大「照史と神ちゃんも行くの決定で」

照「おま(笑)照史さんな？俺先輩やねんけど？(笑)」

智「俺ら拒否権ない感じっすね」

照「ほんまなぁ、まあ行くけど(笑)」



ドラムのセッティングをし直している神ちゃんも、シールドを巻いている照史さんもそんな会話を交わしている。



大「Aは？」

「えっ、…んー、まあ行くかな」

大「よーし、じゃあ合宿に向けてオリジナル曲作りましょ」



大毅の一声で、私たちは顔を見合わす。



照「オリジナル？」

大「そ、合宿の最終日にお披露目演奏会があるんすよ」

「……」



私たちは3年間ずっとコピーバンドをやっていて、オリジナルなんて、作れる人なんていない。



大「まあ、いっちゃん多いのはギタボが曲作るパターンやけど？」



ちらりと私を見る大毅。

…え？私が曲を作れ……と？






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