【d!】可惜夜と朝顔【ut】 (ページ5)

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Episode.3 ページ5

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案に相違して、次の日購買前の自販機で彼を見かけた。相変わらず猫背気味の彼は、小銭を入れて迷いもなく天然水のボタンを押す。ガコンという音と共に出てきた500mmのペットボトルの上を掴み、気だるそうに横を向いた。目が合った。

「え。･･････着いてきたん？」

頭が取れそうなくらいぶんぶんと横に首を振る。それでも疑っていたらしい彼は、私の手に持たれた財布を目にして「嗚呼そか」とやっと心做しか安心した表情を見せた。

「あの、昨日はあんなこと言ってごめん。鬱島の言う通りキモ過ぎたって言うか･･･。とにかく忘れて。それから」
「同情で言ったん？」
「･･･え？」

「同情したからあんなこと言ったん？」

突き刺すような視線。目の前の男は無表情だけど、決して無関心ではなかった。

「･･･違うよ、＿＿」

続きを言おうとして我に返った。ここは人通りが多い学校の廊下のど真ん中だった。外野は集まっていないが、人密かにこちらを気にしている人がちらほらといることに気が付く。私がきょろきょろと辺りを見回し出すと、鬱島は呆れたように軽くため息をついた。

「場所、変えよか」