歪なユートピア【ツイステ】 (ページ3)

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◆ ページ3

最後まで優しい学園長は、どうやら帰るまでの猶予をくれるらしい。退学手続きや荷造り、更には友人たちとのお別れの時間まで取ってくれるらしく、元の世界へ帰る日は二週間後になった。グリムはどうなるのかと聞くと、ちゃんと一人でも学園に通えるよう生徒権を与えるとの事だった。

＿＿＿「貴方が帰ることは誰にも告げても告げなくても、貴方の自由です。ですが決して二週間を無駄にはしないよう。それとこれは、物置部屋までの地図です。絶対に失くさないように。

･･････いいですか、私が何かできるのはここまでです。後は貴方次第。貴方の思うままに進みなさい。自分だけを信じて」＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿

昨日の学園長の言葉が木霊する。
現在、一時間目のトレイン先生の座学授業。視線は腕の中で必死に眠気を耐えているグリムに注いでいた。

朝、昨日早く寝たせいか珍しく寝起きのいいグリムに、昨日の話を伝えた。帰る方法が見つかったと。二週間後に帰ろうと思っている、とも。
グリムは相槌を入れることなく、呆然とした表情で此方を見てから、俯き、そして涙いっぱいに笑った。

「･･･心配するな！俺様が大魔法士になって迎えに行くんだゾ！だから、だから別れじゃないんだゾ！」

それから朝は二人でわんわん泣いた。朝ご飯はゴーストたちが作ってくれ、食べながら泣き笑い合った。

「･･･グリム、よく耐えてるね。すごい眠そう」
「う〜ん、なるべく一緒にいるって、言ったんだゾ･･････」

あと二週間しかない私だから、どうやらグリムは居眠りの時間を削ってまで一緒にいて話したいらしい。嬉しくて思わず笑みが毀れる。ふわりとグリムの頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。