専属トレーナー？！私があなたを支えます！2 (ページ20)

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グランプリファイナル2日目

ヴィクトルはやっぱり少し元気ないように見える

勇利くんもヴィクトルも気まずいって顔はしてないけど、空気が少し重い

第一滑走はJJ
最初は曲に出遅れたりして心配だったけど、後半しっかりと自分のスタイルを貫き通すJJらしい演技だった

第二滑走はピチット
最初のジャンプで手はついてしまったものの、そのあとのジャンプは全て成功。ピチットの魅力がしっかりと引き出された演技だった

どんどん時間は過ぎて勇利くんの出番になった

ヴ｢大丈夫、勇利なら金メダルとれるよ｣

いつものヴィクトルじゃない…少し堅さがあって元気もない

勇利くんはどう返事するんだろう…

勇｢ねぇ、前にヴィクトルはヴィクトルでいてほしいって言ったよね。

今さらそんなコーチらしいこと言わないでよ

最後は笑ってリンクに立ちたい｣

ヴ｢…｣

『ヴィクトル』

大丈夫だよ、ちゃんと本音を言おう

ヴィクトルの目を見てそう訴えると、ヴィクトルはうなずくと

勇利くんの耳元で何かを言ったようだった

そのあと2人は笑って抱き合い、勇利くんはリンク中央に向かった

なんとか通じ合えたかな？

『何て言ったの？』

｢世界選手権大会５連覇の俺が休んでまでコーチしたのに、今まで1個も金メダルとれないってどういうこと？ってね｣

『ぷっ、あははっ！それは勇利くんに良い刺激になったかもね！』

やっぱり勇利くんとヴィクトルは最高のコンビだよっ！

勇利くんがリンク中央でポーズをとると私の大好きな曲が流れ始める

最初はコンビネーションジャンプ

『よし！』

綺麗に決まった！

その次の四回転サルコウもしっかりと回れた

やっぱりユリオに教えてもらってから完成度はグッと上がった

それからジャンプのミスはなく、全て綺麗に決まっていた

盛り上がる会場

ドクドクとうるさい心臓

震える手

決まっていくジャンプ

引き込まれるステップシークエンス

勇利くんから目が離せないっ

最後、勇利くんはヴィクトルの代名詞である四回転フリップを決めた

｢勝生勇利、スケート人生の集大成ともいえる作品をここに掲げましたぁあ！！！｣

ほんとっ毎回ビックリさせてくれるよ

勇利くん凄すぎるよっ…

『っ…やったね…勇利くんっ…』

涙が溢れて止まらない…本当に感動したよ…