君の心は難問過ぎる！

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(A視点)


(遂に、ここまで来てしまった…………。やっとあの人に会えるんだ………！)



いつも夢見ていた。
あの日から努力を重ねてきた。
1年半前から忘れることのないあの人に会うために。









私は今、TBSのスタジオ前に立っている。
隣には、私が加入している早稲田大学クイズ研究会のメンバー、2年の田淵と1年の住田の2人が並んでいて、緊張で顔がカチコチに固まっていた。

「ちょっと、2人とも大丈夫？」

「大丈夫じゃないですよ……緊張で胃痛が………。」

「他の大学だってこんな感じだよ、平然としてるのなんて、清水さんと、普段からテレビ慣れしてる東大チームの人だけじゃないの…？」

「そう………？？」

いてて、とお腹を抑えるポーズをしながらも田淵が話してくれたように、周りを見渡しても他の大学の面々は2人と同じような状態のようだった。

ただ、ある一角はそんなこともなく、平然と、むしろ談笑しつつ待機しているようだった。
言わずもがな東大チームだ。
そこに、私が追い求めてきた彼もいる。







そう、今から収録するのは、東大王というテレビ番組だ。









あの日、テレビで彼を見つけてから私は猛勉強を重ね、国内でも上位に名を連ねるであろう早稲田大学への入学を果たした。
そうしてクイズ研究会に入り、丸1年ずっとクイズの研究をしていた。

来る日も来る日もクイズ漬けの日々を過ごし、遂に1年生のラストには研究会内でのランキング2位、1年生の中では1位に着くことが出来たのだ。


そして大学2年となり、6月の今。
クイズ番組東大王の、早稲田大学チームの3人のうちのひと枠を勝ち取ってここまできた。



ついに彼と、東大王となった彼との初対面、そして勝負の時となった。


(ここで、今までの努力の成果を見せなくちゃ……！)

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