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(A視点)




「っおい!………なに触ろうとしてんの。」




「っち、彼氏持ちなら先に言っとけよな!」

「あ〜くそ、萎えたわ…、タイミング悪ぃなぁ。」


…伊沢さんの低い声がして、驚いて顔を上げる。
目の前には伊沢さんの背中が広がっていて、先程の2人組はどこかへ歩いていったようだった。

(よ、よかった…………。)

安堵で息を吐き出すと、伊沢さんが振り返った。

伊沢さんは走ったのか少し息が切れていて、汗で額に前髪が張り付いていた。

(いつもと同じ伊沢さんだ……。)

「…っはぁ、大丈夫だった…?なにかされてない?触られたりしてない?」

「だ、大丈夫です…!伊沢さんが来てくださったので…。」

「よかった……、あんな奴らに応答しちゃダメだよ、可愛いんだから、」

心配げにこちらを見つめてくる顔が、申し訳なさそうに眉を寄せる。

「ごめんな、ちょっと遅れちゃって………、走ってきたんだけど、なにかされる前でよかった。」

確かに、駅前の時計を確認すると待ち合わせ時刻から10分ほど経っているようだった。

「いえ、全然……!」

大して待ってませんから、と告げると、へにゃっとした笑顔になる。

(あ、可愛い……。)

少し顔が火照るのを感じた。
それを隠すために矢継ぎ早に話す。

「そ、そういえばお昼は食べましたか……?私食べてなくて…」

「あぁ、俺もまだだよ、どこか行こうか…………うーん、何処にしよう?行きたいところとかある?」

「いえ、特には………伊沢さんは、どこかありますか?」

少し考え込みながら話すと、不意に頬をつつかれた。

「っえ、………。」

驚いて声を上げ、伊沢さんの顔を見上げると少しむっとしたような顔をしている。

「え、と、伊沢さん、どうかしましたか……?」

なにか不愉快なことでもしてしまっただろうか、とわたわたしながら聞いてみる。

「……この間は呼んでくれたのに、今日また伊沢さんに戻ってるじゃん。」

前みたいに拓司って呼んでよ、と言われて頬どころか耳まで暑くなってしまう。

「た…………たくし、さん……。」

「うん、Aちゃん、なに??」






とても良い笑顔で頷かれてしまった。

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設定タグ:伊沢拓司 , QuizKnock , 東大王   
作品ジャンル:恋愛
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ぴの - 伊沢さんが大好きで読み始めました。キュンキュンします!続き待ってます! (2018年11月30日 2時) (レス) id: a8459cfa7b (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - えたさん» ありがとうございます〜!!励みになります! (2018年11月24日 15時) (レス) id: b35afa0062 (このIDを非表示/違反報告)
えた(プロフ) - はじめまして〜!続きがすごく気になります…!更新頑張ってください!! (2018年11月24日 12時) (レス) id: 9d6349b3fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海月@初心者 | 作成日時:2018年11月23日 16時

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