過去編4 ページ24
なんなんだ。目の色が変わったごときで気持ち悪がり、実の息子に罵倒を浴びせる。呆れた。この人間には呆れた。
あぁ。憎たらしい。なぜこの人から生まれてしまったのか。あぁ。憎たらしい。憎たらしくてたまらない。いっそ。いっそのこと。
A「…殺してしまおうか。」ボソッ
そこからの記憶はない。
意識が戻って来た時には血だらけで、辺りには母上や父上のﾀﾋ体が落ちていた。
僕はその事には目もくれず。とあるところへと走った。
A「もう邪魔者は居ない!!会いに行ける!!妹に!!やっと!!やっと!!」
無我夢中に妹の部屋へと走った。
走ってやっと着いて。ドアを開ける。
開けると、その部屋は……血だらけだった。
可愛らしい、女の子らしい部屋は血で染っており、そこにはちいさな女の子のﾀﾋ体があった。
A「…あぁ。…あぁ。」
きっと僕が殺したんだ。ごめんなさい。やつと会えたのに、。
怖かっただろう。憎たらしかっただろう。実の兄に殺されるのは。ごめんなさい。ごめんなさい。
話さずやっと会えてもﾀﾋ体の状態で。
その時やっと僕は、自分のした事の罪の重さに気がついた。
それから僕は海へと向かった。もう僕の居場所は海ただ1つ。
A「僕は、とんでもない罪を犯してしまったよ。海。」
海「大丈夫よ。私はそれでもあなたを愛すわ。」
A「……僕、どうすればいいんだろう。」
海「…新しい土地に行きましょう。ほんとはずっと私の下にいて欲しいわ。でも人間はずっと私のところには居れない。」
A「そうだけどっ!!…だからと行ってどこへ行けばいいんだ。」
海「…私のもっとも近いところには居るのは、"海賊"よ。それで、あなたは海賊になるのよ。」
A「…どうやって？」
海「…それは私にもよくはわからない。」
海「でもいいじゃない。行き当たりばったりで。今まであなたは親が敷いた線路を忠実に辿っていた。だから今度は先の見えない道を行きましょう。私とあなたで。」
A「……うん。行こっか。じゃあ。」
それから僕と海は新たな土地を見つけに行った。
僕は海の目をもってるからか良くはわからないが、水中での呼吸が可能となっていた。
その短い間の旅で辿り着いたのが"ポートロイヤル"だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エビチリ | 作成日時：2023年2月17日 22時
