声が出ない君へ −佐野玲於−

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あの日から彼女と会うことが多くなった


とんとん



玲於「あ、おはよ！って言ってももうお昼近いけど」



“おはよう！今日、律くんは？”



玲於「寝坊。バカだよなー」



“来たら、怒らないと”



玲於「そっちこそ、永久さんは？」



“授業だよ”



玲於「そっか」



“お昼ご飯買いに行くから、待ってるの”



玲於「俺と行く？」



“いいの？”



玲於「ついでに俺のも買いたいからね」



“永久くんに連絡するね”



律「玲於ー！わりぃ、遅れた！」



玲於「おせーよ。ばか」



律「ごめん！」



玲於「今からご飯買いに行くけど」



律「Aちゃんも？」



貴女「ｺｸｺｸ」



律「じゃあ俺も行く！」



玲於「今日、あったかいから外で食べようか」



“食べたい！”



律「行こうか！」








。








。








律「おなかいっぱい」



彼女にとんとんとされた



玲於「ん？」



“玲於くんと律くんはいつから一緒にいるの？”



玲於「小学生の頃からだよ」



“長いんだね”



玲於「律ね、3年生の時におもらしして先生に怒られたんだよ」



律「言うな、玲於！俺、一応王子様キャラなんだから！」



玲於「一応ってなんだよ」



律「世の女の子の理想を壊しちゃダメだよ？」



玲於「お前のどこが王子様だよ！」



貴女「く…っ、…っ」



律「Aちゃんまで笑わないでよー」



声が少しだけ聞こえた



“ごめん、面白くて”



玲於「……」



律「玲於？」



涙を流しながら笑う彼女を見て

初めて俺は女の子を綺麗だと思った

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