声が出ない君へ −佐野玲於−

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貴女「んっ…、」



Aの唇が熱いのか、俺のが熱いのか分かんね



貴女「玲於くん、熱ある？」



玲於「かもね」



貴女「わっ、なに？！」



Aを抱えると、ベッドの上に寝かせた



玲於「俺、もうもたない」



貴女「え…？」



だめだ、頭ぼーっとしてる

いやいや、こんな勢いに任せちゃだめだって



玲於「ごめ、何でも…」



Aは俺の首に手を回してきた



貴女「離れないで…」



おねだりするような顔をされ、俺のスイッチは切れてしまった


奪うように唇を重ねると、それをAは受けとめてくれた



貴女「ん…ぅ」



玲於「…ん」



貴女「ま…っ、て、」



玲於「ごめん、無理」



貴女「んん、っ…」



玲於「あちぃ」



着ていた服を脱ぎ捨て

Aの服も脱がせた



貴女「…っ、あ」



玲於「A、初めて？」



貴女「…うん」



玲於「そっか、痛くないようにする」



貴女「れ、…おくんは？」



玲於「……ノーコメントで」



好きな人も彼女もできたことないけど

そういう経験はあるとか言ったら引かれんだろうな



玲於「首に手回して」



貴女「ん…」



玲於「もう無理と思ったら言ってね。それでやめてやれる自信はないけど」






。








。









ズキッ

あー、頭も喉も痛てぇ


目が覚めると、隣には眠っているAの顔があった

するの絶対早かった

もっと段階ってもんがあるだろ！

何やってんだ、俺…


いやまじで、何やってんだ



玲於「ｹﾎｯ」



貴女「ん…」



玲於「あ、おはよ」



貴女「おは…よ」



玲於「ごめんA。風邪結局うつしたかも」



貴女「ううん、大丈夫…って、玲於くん顔真っ赤！」



玲於「えー、あー」



貴女「絶対昨日より熱上がってる！」



玲於「へーきへーき」



貴女「平気じゃないよ！看病するから、寝てて！」



起き上がろうとしたA



貴女「…いっ」



玲於「A？」



貴女「腰痛い…」



玲於「ごめん。結局優しく出来なかった」



貴女「謝らないで！恥ずかしいから！」



玲於「ごめん」



貴女「とにかく玲於くんは寝てて。絶対私のせいだ」



玲於「違うでしょ…ｹﾎｯ」



貴女「薬とかある？」



玲於「うん、そこの引き出しの中入ってると思う」



貴女「お粥作るから！あと、冷却シートあったあった」



たまにはこうやって看病してもらうのも悪くない



貴女「うわっ、水零した」



可愛い…

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