声が出ない君へ－佐野玲於－ (ページ27)

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永久さんが怪我をして2週間

永久「ねー、見て見て！ギプス取れた！」

律「ほんとだ！良かったですね！」

永久「ありがと～」

あの日からAとほとんど話していない

上手く話せる自信がないからな

玲於「じゃあ今度ご飯でも行きます？永久さんの奢りで」

永久「なんで俺の奢りなの！」

律「それいいね～」

永久「律くんまで！ていうか、玲於くんどんだけ教科書持ってんの？」

玲於「今からちょっと勉強しに…ｸｼｭﾝｯ」

永久「風邪？」

“大丈夫？”

玲於「ん、大丈夫」

律「なんか今日、Aちゃんずっと永久さんの後ろに隠れてるね」

“そんなことない”

玲於「よし、そろそろ行くか…はっ、くしょんっ」

律「風邪なんか引いてんじゃねーよ！」

バンっと背中を叩かれ、持っていた教科書を落とした

玲於「いっ…て。もー」

しゃがみこみ、教科書を拾うと

Aも拾おうとしてくれた

やべ、くしゃみでそ

玲於「あんま近づかないで」

貴女「…っ」

玲於「ｸｼｭﾝｯ」

律「玲於、そんな言い方ないでしょ」

玲於「え？あ、いやそうじゃなくて」

永久「A？」

“帰る”

永久「え、じゃあ俺も！」

律「れーおー」

玲於「別に変な意味で言ってねーよ。くしゃみ出そうだったから」

律「Aちゃんはそう思ってないでしょ。ずっと口聞いてないみたいだし」

玲於「別に…」

律「曇ってきたね」

玲於「先に帰っていいよ。俺、勉強したら帰るから」

律と別れ、勉強をしていると

玲於「うわー、雨降ってきた」

もう7時か

帰るかなー

玲於「傘持ってねーや」

よし、走って変えろ

そう思って席を立つと

ﾌﾟﾙﾙﾙ

玲於「はい」

永久「あ！玲於くん？！」

玲於「どうしました？」

永久「A知らない？」

玲於「知りませんけど」

永久「いなくなっちゃって！メールしても帰ってこなくて、傘も置きっぱなしみたいで！」

玲於「買い物とかじゃないんですか？」

永久「勝手にいなくなったことないよ！」

永久さんまじで焦ってる

玲於「俺も探してみます！」