声が出ない君へ－佐野玲於－ (ページ15)

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－貴女 side－

はぁ、最近おかしい

永久「A？昨日遅かったから疲れた？」

“ううん、大丈夫”

永久「なんか元気ないね」

“そんなことない！”

永久「そ？じゃあ行こうか！」

昨日、玲於くんの手が私の頬に触れた時

何も考えられなくなった

あの時、律くんの寝言が聞こえなかったらどうなってたんだろう

いろいろ考えているうに気づけば大学に着いていた

永久「あそこに玲於くんたちいるから、合流して。俺、講義室行かないといけないから！」

貴女「ｺｸｺｸ」

永久「あとでね！」

永久くんが行ったあと、すぐに玲於くんたちの方へ向かった

玲於くんに近づくと、急に振り向かれた

玲於「うわっ！？」

貴女「…っ！？」

律「お！Aちゃん、おはよう！」

玲於「ごめん、大丈夫？」

あ、顔近い…

玲於「……」

貴女「……」

律「え、なに？」

私と玲於くんの間に今まで感じたことのない時間が流れた

今までよりも、気まずく感じる

律「おーい」

玲於「あ、そうだった。ジュース買いに行かないと」

律「じゃんけん負けたからねぇ」

玲於「なんだその顔」

律「Aちゃんも玲於に頼んだら？」

玲於「ふざけんな。まあAならいいけど」

“オレンジジュースがいい”

玲於「ん、了解。ちょっと待ってて」

クシャと頭を撫でてくれた

律「Aちゃん」

貴女「？」

律「玲於となんかあった？」

ぎくっとした

律「あったんだ～、なになに？」

“特に何も無い！ないけど”

途中で書くのをやめた

律「ないけど？」

“最近、おかしい。玲於くん見たら胸がぎゅーってなるの”

律「ふふっ」

貴女「？」

律「いや、ごめんごめん。誰かさんと同じこと言ってるなって思って」

誰かさん？

律「Aちゃん素直になったら気づけるかもよ？」

律くん、何言ってるんだろ

玲於「ほい、オレンジジュース」

律「おかえり！」

玲於「なんでニヤニヤしてんだよ」

律「べっつに～」

玲於「きもちわる」

素直になれば…か