声が出ない君へ −佐野玲於−

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律「んーっ、暑くなってきた！」



玲於「ね」



律「今日も玲於んち行くね！」



玲於「ちゃっかり合鍵まで作ってんじゃん」



律「俺だからいいの」



玲於「なんだよそれ」



永久「2人ともおはよう！」



“おはよう！”



玲於「おはようございます」



律「Aちゃん今日玲於んち行く？」



玲於「おい」



“何かするの？”



律「何もしないけど、Aちゃん来たら楽しいかなって！」



永久「ダメだよ、A」



“どうして？”



玲於「別にいいですよ。俺は」



“行きたい”



律「Aちゃんもこう言ってるし！」



永久「Aが行くなら俺も行く。男ふたりのとこに1人で行かせないよ」



玲於「なんですか」



永久「別に」



玲於「手出すとか思ってます？」



永久「ないことないでしょ」



玲於「信用ねーな」



律「ち、ちょっと」



“永久くん、怒ってるの？”



永久「ううん、怒ってない。ごめんね」



“玲於くんの家にお菓子とか持っていくね！”



玲於「うん、待ってる」



永久「じゃあ、また後で」



“あとでね！”



律「おい、玲於」



玲於「なに」



律「永久さんとケンカすんなよ」



玲於「そんなつもりない。あっちがそういう態度だから」



律「ほんと、ハラハラする」



玲於「永久さんって、俺がAと喋ったりしたら不機嫌になるじゃん。なんなのあれ」



律「お前、それも気づいてないの？」



玲於「だから、お前は分かんのかよ」



律「頭痛くなってきた」



玲於「最近、わけわかんないことばっかだよ」



律「玲於って、そんなにバカだっけ？」



玲於「は？お前より成績いいでしょ」



律「そうじゃなくて！」



玲於「てか、今日A達来るならちょっと部屋綺麗にしないと」



律「じゅうぶん綺麗じゃん」



玲於「そ？なら大丈夫か」

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