声が出ない君へ－佐野玲於－ (ページ36)

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Aを見つけて駆け寄った

貴女「あ、永久くん？どこ行って…」

振り返ったAは俺の顔を見ると、気まずそうに目を逸らした

玲於「ごめんね、A」

貴女「私も、わがままだった」

玲於「いや、俺が何も考えてなかったから」

貴女「デート、したい」

玲於「うん、しよ。Aが行きたいとこと食べたいもんなんでも付き合うから」

貴女「ほんと？」

玲於「ほんと」

貴女「ふふ、玲於くん好き」

ぎゅっと抱きついてきた

あんま可愛いことすんなよ

玲於「どこ行きたいの？」

貴女「イルミネーションみたい」

玲於「イルミネーション？」

貴女「うん！駅前にあるんだ！」

玲於「じゃ、そこ行こ。その後俺んちでケーキ食べよ」

貴女「うん！」

Aは嬉しそうに返事をすると俺の胸に顔を埋めた

玲於「Aさーん、そろそろ離れてもらってもいいですか？」

貴女「え、なんで？」

玲於「いや、なんでと言われましても」

貴女「いいじゃん。誰もいないもん」

この人、意外に積極的なとこあるよな

玲於「へー、人いなかったら何でもしていいんだ」

貴女「い、いやそうは言ってな…」

ちゅっ

玲於「あんま誘わないで」

貴女「そういうつもりじゃないのに」

玲於「律たちのとこ行こ」

貴女「うん！」

玲於「元気」

貴女「クリスマス楽しみだから！何のケーキにしよっかな」

玲於「俺、チョコがいい」

貴女「えー、チーズもいいショートケーキもいいなぁ」

玲於「ちっちゃいの何個か買って、一緒に食べよ」

貴女「頭いいね」

玲於「まあな」

あ、クリスマスプレゼントも準備しねーとな

女の子って何が好きなんだ？

よし、こういう時の律だ

あいつに聞こう