声が出ない君へ－佐野玲於－ (ページ24)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:78,640 hit

.24 ページ24

－貴女 side－

パチッと目が覚めた

昨日、玲於くんに告白された…よね？

あれ、夢？…じゃないよね

コンコン

永久「Aー？」

貴女「おはよう」

永久「今、玲於くんのこと考えてたでしょ？」

貴女「え？！」

永久「Aも好きなの？玲於くんのこと」

貴女「……うん」

永久「そっか、今日俺先に行くね！朝ごはんはあるから！」

貴女「あ、うん」

なんか変な笑顔だった

永久くん、どうしたんだろう

不思議に思いつつ、朝ごはんを食べて家を出た

律「Aちゃん！」

貴女「おはよう」

玲於「今日1人なんだ」

貴女「う、うん！」

あれ、玲於くんめちゃくちゃ普通だ

貴女「永久くん先に行くって言ってたんだけど、会った？」

律「会ってない！ここにいるといつも会うんだけどな」

玲於「たしかにね」

貴女「律くんたちよりも早かったのかな？」

プルルルル

玲於「Aのじゃん？」

貴女「もしもし……え？」

玲於「A？」

律「どうしたの？」

電話越しに聞こえてきた言葉に驚いて携帯を落とした

貴女「永久くん…が」

律「あの、もしもし…え！？永久さんが？はい、分かりました！」

玲於「なに、律？」

律「永久さんが事故ったって。すぐ病院行こ！」

貴女「…っ、は」

玲於「A、落ち着いて！」

あれ、上手く呼吸できない

呼吸ってどうやってするんだっけ？

玲於「A、俺に合わせて呼吸して」

玲於くんが抱きしめてくれて

ゆっくりと呼吸をした

玲於「行くよ」

貴女「ｺｸｺｸ」

病院に着くと、すぐに病室に案内された

律「命に別条はないんだって。今は眠ってるって言ってた」

玲於「そっか、良かった」

貴女「……」

律「骨折だけだって」

良かった…

永久くんまでいなくなったら私、もう…

玲於「A？」

無事でよかった

律「Aちゃん、声…」

また出なくなってる…

なんで…

いろいろ受け止めきれなくて涙が溢れた

玲於くんは優しく抱きしめてくれた