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玲於「なーに、泣いてんだよ」
貴女「さ…の、せんせ」
玲於「あーあ、ひでぇ顔になってる」
隼「片寄のお兄ちゃんの進路のこと?」
貴女「…はい」
玲於「なんで泣いてんの?」
貴女「…お兄ちゃんを…素直に応援できない、自分が嫌だか、ら…お兄ちゃんがいなくなるのが、や…だから」
途切れ途切れでおもってることを口にした
貴女「…もっ、と早く伝えて、欲しか…た」
隼「俺ね、プールで会った時片寄に相談されたんだ」
貴女「?」
隼「県外の大学に行くってもう決めたけど、それをAに言うタイミングが分かりませんって」
玲於「あん時、その話ししてたのか」
隼「俺は、早めがいいんじゃない?って言ったんだ。それは片寄も分かってたみたい」
貴女「…はい」
隼「でも歯切れ悪いから、何に悩んでるの?って聞いたらね、
「言ったら、絶対A泣くでしょ。そんな顔させたくないんですよ」
って言ってた」
貴女「……グスッ」
隼「俺は、笑顔のAが1番好きだから泣かせたくないって」
玲於「いい兄貴じゃん」
隼「お兄ちゃんもね、早く伝えようとしてたんだよ。でも、片寄のこと考えるとできなかったんだよ」
貴女「…おに、ちゃ」
隼「考えて考えて、やっと決心して県外に行くことを決めてる」
玲於「Aに伝わったのが、片寄と先生の会話からだったってのがちょっとあれだけどね」
隼「卒業まで、半年とちょっと。お兄ちゃんのこと応援してあげないと、2人とも笑顔でいれないよ?」
玲於「Aは、それでいいの?ずっと兄貴と気まずいまんまで」
貴女「…嫌です」
玲於「だったらさ、応援しようぜ。1人で応援できねーなら、俺が一緒にしてやる」
貴女「……」
玲於「兄貴がいねーなら、俺が一緒にいてやる」
隼「おぉ、かっこいい」
玲於「兄貴がいなくて寂しいなんて俺が思わせねーよ」
貴女「ぅ、…わぁぁぁぁん!」
玲於「げっ、うるせぇ」
隼「よしよし、そんなに泣いてたらお兄ちゃんのとこ戻れないよ!」
貴女「小森先生、ありがとうございます」
隼「うん!」
貴女「佐野先生、大好きです」
玲於「ん、知ってる」
そうだ
私、1人じゃない
小森先生がいる
大好きな大好きな佐野先生がいる
貴女「お兄ちゃんのとこ戻ります!」
隼「うん!行ってらっしゃい!」
玲於「んー、いや、その必要ないみたい」
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作者名:佐野冬美 | 作成日時:2018年8月11日 3時