私、 変わります。

9.ムロ店員 ページ9

「しっかし…」






「…黙ってよ？余計なこと話さない。
分かった？」





「分かってるって〜ねぇ？Aちゃん」






「…あ…はい」






「…だからさ〜馴れ馴れしいんだって
おじさん…あ…この人…悪気はないけど
人に対して近いんだよね…ごめんね？
大丈夫？」






「…大丈夫です。」







「なになになに〜？俺、そんな近い？
そんなことないよねぇ〜Aちゃん？
…いや…しかし…マジで会えて嬉しいわ。
実物見たら…本当に…マジで…うん…
最高！…な？倫也、そうだよな？
マジでお前の目に狂いはない。うん…
本当に最＆高！」






「…ムロさん…頼むからさぁ…本当
静かにして。黙って。分かった？」







「…なんでよ〜なんで話しちゃいけないの？
いいじゃんよ〜お客様なんだし
何？それとも？Aちゃんと話すのに
わざわざ倫也の了解なきゃダメなわけ？
え〜そうなの？え〜なんかそういうの〜
てなんての？…ほら、…あれよ…ん〜と
…あ、束縛！束縛ってるんじゃない？
ヤバ〜それ、かなりヤバくないっすかぁ〜
(笑)」







「…ムロ…」







「(笑)ンフフ…アッハハハハハ(笑)
…ごめんなさい…(笑)…なんか…」






なんで笑うの？って顔で中村さんが見てる。







だって…だってそうでしょう。







…この2人さっきから…







「…(笑)なんか…コント観てるみたい(笑)
ンハハハハっ(笑)…面白いです…ムロさん」





「嬉しい！！！それ、俺に対してかなりの
褒め言葉になっちゃってる〜」






ムロさんという店員さんは







意味の分からないステップを踏んで






私の前に美味しそうなオムライスを






差し出してくれた。







「…(笑)ありがとうございます
凄く美味しそう…(笑)」





「でしょ？でしょ？これがさぁ〜
最高超えちゃってるからねぇ〜
マジで食べたら…Aちゃん…
俺の虜になっちゃうかも？
あ、でも…そしたら…倫也困るか…
ん〜どうしよ。オムライス食べて欲しいけど
俺の虜になっちゃったら困るし…
あ〜悩む。…おじさんに悩む」






面白い店員さん…ムロツヨシさんと
言うらしい。






「…はぁ…やっぱやめとくんだった」






隣で溜息をつく中村さん。






「いただきます」






「召し上がれ〜い！」






バターの効いたオムライス…優しい味がする。

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