9. 空白の時間 ページ9
「1年か……」
私の部屋で倫也と2人。
空白の時間を取り戻すように
どちらからともなく
ビール片手にベランダに立つ。
「あっという間の1年だったね……」
「……そうか?……俺は長かった」
ビールを流し込みながら
倫也がポツリと話す。
長かったか……。
何でもそう……待つ方は長く感じてるのに
待たせる方はそれほど感じない。
今の私達がそのいい例なの。
しかも、彼氏がいるときた。
結婚するかもしれない彼氏がね……。
今、元彼と自分の部屋で二人きり。
ダメだよね……最低な女だわ。
でも、あえてそれを言わない私。
この時間が愛おしくて離れがたくて
倫也に触れていたい。
「……そう言えば、前にね、栄子姉と
二人で飲んでて、ベランダで寝ちゃった
ことがあったの(笑)
でも、気づいたらベットの上。
お酒弱いのに飲んじゃってさ〜(笑)
栄子姉…よくここまで運んでくれたよね?
しかも、その後、私の好きな常温の
ミネラルウォーターが出てきて(笑)
…そんなこともあったな…(笑)」
「…本当…運ぶの大変だった」
「…(笑)そうなの…運ぶの…
って…え?…何…何で知ってんの?
…ていうか…あの時運んだのって…
もしかして…倫也?」
「…大正解…あのままベランダで寝てたら
お前どうなってたか…感謝しろよ?」
「…ウソ…本当に?やだ…何で言って
くれなかったのよ…私…てっきり…
栄子姉かと…」
「昔から、手間のかかる幼馴染な?(笑)」
「…ごめん…」
「(笑)…今更謝んな…。
…それより…思い出してくれて
スゲー嬉しい…」
ビールの空き缶を少しだけ潰して
はにかむ倫也は昔のまんま。
倫也…もう絶対忘れないよ。
もう…絶対忘れないんだけどな…。
冬のベランダは寒い。
自然と知らないうちに
私達は寄り添って空を眺めてた。
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うた(プロフ) - aoiさん» 初めまして^_^覗いてくれて有難うございます。大好きな中村さんの妄想が広がりましたら頑張りますね! (2020年1月4日 13時) (レス) id: ee288d48be (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - yukaさん» こんにちは!早く新しいドラマ等始まって欲しいですね!また覗いて下さい。頑張ります! (2020年1月4日 13時) (レス) id: ee288d48be (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - お疲れ様でした!とても楽しく読ませていただきました!また新しいお話を楽しみにしてます! (2020年1月3日 22時) (レス) id: e1e42cd1b8 (このIDを非表示/違反報告)
yuka(プロフ) - うたさん(*^^*)ドキドキ切なくて最高でした!また中村倫也さんのお花楽しみにしていますー!! (2020年1月2日 18時) (レス) id: e94d3626b3 (このIDを非表示/違反報告)
うた - yukaさん» こんばんは。遅くなりました!ドキドキして頂けて嬉しいです!中村倫也さんもう最高ですね(//∇//)これからもヨロシクお願いします! (2019年12月29日 22時) (レス) id: aa22559c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うた | 作成日時:2019年11月24日 10時