近くて遠い私達 2。

15. 天気予報外れ ページ15

「…じゃあ行くね？」







「…はいよ…ちゃんと連絡してよ？」






「分かってる」






「そんな簡単に終われるほど、簡単な恋じゃ
なかったろ？…だから焦るな。ゆっくり
ゆっくり…ちゃんと納得いくまで
話してよ。な？」






「…ん、分かってる…大丈夫」







「…待ってるから」







「…ありがと」







「…………………」








「何？」








「…やっぱり…１回チューしとく？」







「は？何言ってんの？
まだ、私とあなたはそういうのダメなんです」






「…さっきしたじゃん」







「…あれは勝手に倫也がしたんでしょ？」







「…受け入れOKな感じだったと思う
んだけどねぇ…(笑)」








「ちょっと！」







「(笑)ウソウソ…ごめん
ほら、行けよ。遅くなる」







「ん…じゃあ行ってくるね」






「おう、行ってこい。
ずっと待ってるから…」






「…行ってきます」






タクシーを停めて行き先を伝える。






携帯を開いて電話を鳴らす。






ミラーに映る倫也が手を振って






段々と小さくなる。









「…もしもし？」







「…もしもし…生田さん？」







「何だ？どうした？
会うの明日じゃなかったか？」






「…ん、そうだったんだけど…
今…会いにいっていい？」






「何それ？Aか誘うなんて珍しい〜(笑)
めちゃくちゃ嬉しいんですけど？」





「…ん…今、家に向かってる」






「…そう、(笑)早いねぇ〜
じゃあ何か作って待ってるわ
着いたら連絡して？
…今日泊まるよな？」







「…着いたら連絡する」







携帯を閉じて窓の外を見る。






よく見れば空はやっぱり真っ暗で






星なんか1つもなかった。






さっきは見えたのにな…星。







気づけば窓にポツポツと当たる雨。







「…降り出してきましたね〜天気予報は
雨なんて言ってなかったのになぁ…」






運転手さんの声







「…本当ですね…」







誰かの心を表すかのように






雨は次第に強くなっていった。

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