近くて遠い私達 2。

11.決めた道 ページ11

「Xmasどうする？」






辺りはXmas一色で彩られていて








ー空けといてー






倫也の言葉が離れない。







「おい、聞いてんのか？」







手を引かれて我に返る。






「あ、…うん、そうだね…どうしよ」






「なんだその上の空みたいな答えは(笑)」






「そんなことないよ…ちゃんと聞いてたよ
ただ…イルミネーションが綺麗だなぁと
思って…」





「ふ〜ん、そ、…じゃあ…今、俺、
なんつった？」






「え？…えっと…どうするって
話だよね？
えっとね…ん、っと…」






「ブブー時間切れ〜」






「早い…」






「何が早いだ、人の話聞いてない証拠だろ？」







「…ごめん」






「(笑)嘘だって…冗談だから
　…で、どうする？本当に、Xmas？」






「あ、うん…Xmasね…
あのね…その前にね…話さなきゃ
いけないことあって…」









「…記憶が戻ったって話？」







「…え？…知って…」







「お母さんから電話あった…
本人からまだきてませんか？って
怒ってたぞ？(笑)」






「…ごめん…いろいろあって…
話すタイミングなくて…」






「…そっか…まぁ…良かったんじゃん
記憶が戻って。
とりあえず、病院来てちゃんと検査な？」






「…うん、ごめん…ありがと」







一歩前を歩く生田先生。








先生…あのね…私…。








「…今なら分かるわぁ〜あの子の気持ち」







「…何？あの子って…」






「…え〜と、ほら、なんつったけ？
あの可愛い子。
中村君のことが好きでさ〜
いろいろ意地悪したりして…
繋ぎ止める為に必死で…名前…えっと…」







「…浜辺さん？」







「…あ、そうそう(笑)良く覚えてんな
てか…思い出したのか(笑)
偉い、偉い」






「…浜辺さんがどうしたの？」






「…いや、別に…ただ、あん時の
あの子…めちゃくちゃ嫌な女に
なってたなぁと思ってさ…」







「……………」








「A…」







「………」







「…俺、別れるつもりないからね？」







イルミネーションが眩しくて







一歩先を行く生田先生が






霞んで見えて…







あぁ…そうだ…そうだよね…。






隣りにいてくれるのが当たり前じゃ







ないんだよね？







私があの一歩に追いつかなきゃいけない






…だって…私の決めた道だもの。

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