48.点滅 ページ48
「良かったんですか？」
「……何が」
「……何がって……Aさん、
悲しい顔してましたよ？
あの言葉だって…たぶん…本心じゃ
ないと思います」
「……浜辺……お前どっちの味方なの？」
「……味方って……別にどっちとかじゃなく
……今日だって、私が謝罪しに行くって
そしたら、倫也先輩も俺も行くからって
言うから ……別々に行った方が誤解されずに
済んだのかも……」
「誤解？……別に誤解されるような
ことしてね〜し。
怪しいのはあっちだろ？」
「……先輩らしくないですよ」
「……(笑)何？先輩らしくないって？
俺らしいって何？」
「……今の先輩は……すごく嫌な人間
です」
「(笑)そう？別にいいよ？
嫌な人間で。俺、好かれようとも思って
ないし……お前も離れたきゃ離れれば？
追う気ないし」
「……先輩……それは嫉妬です」
「は？嫉妬？誰に？何で？
意味わかんね〜んだけど」
「……Aさんが羨ましい……」
「…………」
交差点の赤信号ー。
二人立ち止まって信号を待つ。
車の音ー。
行き交う人の会話ー。
どれも雑音に聞こえる。耳障りだー。
信号が青になる。
歩き出す瞬間。
「……先輩」
「……あ？」
触れるか触れないかのキス。
真っ赤に頬を染める浜辺。
「……私も嫉妬です。
だから……ズルいけど、後悔はしたくない
から……先輩を振り向かせる為に
キスしました……」
「……浜辺」
「……それじゃあ、私はここで
また明日です。先輩！」
ペコッとお辞儀して
青信号を足早にかけて行った。
その場に取り残された俺。
信号は黄色に点滅中。
もう渡れない。
……俺……何してんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うた(プロフ) - Rikaさん» こんばんは。読んで頂いて本当にありがとうございます！恋あた面白かったですよよね〜あんな上司が良かった。。。また作品が出来たら覗いて下さい♪ (2021年3月9日 19時) (
レス) id: ee288d48be (このIDを非表示/違反報告)
Rika(プロフ) - うたそんの作品全て読みました！とってもよかったです♪次はぜひこの恋あたためますかも書いてください！！！ (2021年3月8日 18時) (レス) id: d4cfa6ac9d (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - ユミさん» 似た者同士？好みも似てる？絶対ライバルにはしたくないですよね？笑。同じような感じだからこその主人公フラフラ揺れる。しっかりしろや！頑張ります（笑） (2019年10月23日 22時) (レス) id: ee288d48be (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - うたさんお返事ありがとうございます。生田先生今回もドキドキしました。私が倫也くんの立場ならライバルにしたくない怖い存在だなと思いました(笑) (2019年10月23日 22時) (レス) id: db1b0afc6b (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - えむさん» ここの皆さんは全員倫也君と結ばれたい！願望100％！結ばれる？ように頑張ります！ (2019年10月23日 21時) (レス) id: ee288d48be (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うた | 作成日時：2019年9月29日 18時
