オバさんだって恋をする。２

オバさん 戸惑う。 ページ12

「今朝、近くに用事が
あったんで‥‥この前のお礼も
兼ねて‥‥Aさん、ドーナツ
お嫌いでした？」

「‥‥あっ、いえ。大好きです。
ありがとうございます。
‥‥でも‥‥なんか、悪いですよ‥‥
この前もご馳走になったのに‥‥」


「そんなっ！そんなこと気にしないで
下さい。僕が食べてもらいたかった
だけですから‥‥」


そう言って、

ドーナツの入った紙袋と、コーヒーを

差し出してくれる。


「‥‥じゃあお言葉に甘えて
ありがとうござ‥‥」

「ありがとうございます〜」

‥‥‥‥？？

私の手元にくるはずのドーナツが

私の目の前を通り過ぎ、

「うわっ！美味しそ〜！
オヤツに食べよ〜ね？」

‥‥中村君。なんでアンタが貰うんだい？

「‥‥あっ、ご挨拶遅くなりました。
Aさんと一緒にお仕事させて頂いて
おります、中村です。
んでもって、Aの彼氏です。宜しく
お願いします」

手を差し出す中村君。

‥‥彼氏のところ、今、必要？

同じように、手を差し出し、

「初めまして。〇〇会社の坂口と申します。
いつも、Aさんにはお世話なって
おります。」



手を握り合う二人。



‥‥長くね？


「‥‥お付き合いされてるんですか？」


へ？


坂口さんの質問に戸惑うオバさん。




「‥‥あっ‥‥まぁ‥‥はい。‥‥人様に
お伝えすることでもないんですが‥‥」

キッと中村君を睨むと、

悪びれることなく、

「‥‥知っといた方がいいですよね？
いろいろと？」


何言っとんじゃ〜われ〜っ！



「‥‥ですね。わざわざ有難うございます」



‥‥坂口さん？


「‥‥じゃあ、俺らこれからミーティング
あるんで、これで失礼します。
行こっ！」

「えっ？あっ‥‥‥‥」


田中と同じように、引きずられながら

会議室へ。


「坂口さん！ありがとうございましたっ！
今度は私がご馳走しますねっ！」


手を振って叫ぶ。

「Aさん！絶対ですよっ！
また連絡しますね！」


手を振り返す坂口さん。



「‥‥ったく‥‥このオバさんは‥‥」


中村君も振り返って一言。


「‥‥坂口さん？それ？宣戦布告って
ことでいいんですよね？」



「‥‥ですね」

子犬の坂口さんが、真顔。


なに？なに？なんなの？


「了解で〜す。
でも‥‥言っときますけど、Aは
絶対渡しませんから」



「坂口さ‥‥‥」

「‥‥ほらっ行くぞ」


‥‥‥‥What ？

オバさん 鈍感女。→←オバさん 遠山の金さん。

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