オバさんだって恋をする。２

オバさん 遠山の金さん。 ページ11

お騒がせな二人は

無事修復作業を終え、

お手伝いして頂いた方々に

御礼を述べる。

「‥‥この度は‥‥」

バシッ！ボコッ！

「‥‥‥‥痛っ！‥‥‥‥田中っ！」

「このくらいで勘弁してやるっ
中村の分も合わせてなっ！」

「はぁ〜？何で中村君の分もなのよ？」

「当たり前だろっ？中村がどんだけ
頑張ってたか？それも知らずに、
お前はっ！中村が怒ってた分、俺が
成敗してやった。なっ？中村っ」

「え？‥‥田中さん‥‥何言ってんすか？
俺別に‥‥何も言ってませんよ？」

「はぁ〜お前っ散々言ってたじゃんよ？
他の男と飯食いやがってとかぁ〜
何言ってんだよ〜大丈夫だって！
今の俺達に怖いものは無いっ！」


成敗してやった？

怖いものは無い？

ほぉ〜そうですか？

怖いものはないんですか？

‥‥‥‥じゃあ‥‥まずは、



ガンっ！

「痛ってーーーー！
おまっおまっお前よぉーーー！
鞄の角でやるって、そりゃないでしょ？
もう仕事出来ない。今日無理。
頭フラフラする‥‥まさみ、助けて、
アイツ今すぐ警察に連れてって！」


「ハイハイ‥‥連れてく。連れてく。
その前に、アンタをデスクの椅子に
座らせなきゃね？」

「いやん！やめて〜！帰して〜！」

引っ張られるように、田中連行。


武士の情け。これで勘弁してやらぁ〜。




でもって‥‥次は？


「A、違うって、そんなんじゃ
ないんだよ？田中さん、また嘘ばっかり
ついて〜。田中さ〜ん、待ってよ〜
Aにちゃんと説明してあげてよ〜」

首根っこ掴まえて、

「‥‥ふ〜ん？他の男と何？
何言ったの？えっ？」

「いや、いや‥‥だから、それは
違うんだって‥‥」

「観念しやがれっ！このスットコドッコイ！」

いざ、いざぁ〜！！



「ミーティング始めるぞ！」

運が良い奴よのぉ〜。お主？



「‥‥始まるってよ？」

スーツを直し、早足でその場を去る男。



‥‥帰ったら、この続きしなきゃな。

ゴザあったかな？






背中越し‥‥


「Aさん？」

振り返ると、

今、話題に上がった張本人。

「おはようございます、この前は
有難うございました！」

子犬の坂口さん。

「坂口さんっどうしたんですか？
こんなに早く？」

「出勤前に‥‥この前のお礼です。」

美味しそうなドーナツと、淹れたての
コーヒー。


「‥‥A？」

中村君の声。


「Aさん？」



何？‥‥なんだかな‥‥

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