『お話しましょ』五条「おっ珍し〜♪」 ページ7
『…嫌いってったって教師だからそうも言えねぇってか。』
五条「いんや…?僕は教師であれど言うことは言うよ。ただ性格がね。
嫌いだなんて言えば怒りの矛先はAに向くじゃないか。」
『……だから言わなかったんですか。』
五条「そ、大好きな子は守りたい主義なんでね」
『……そう、ですか。』
五条「にしても珍しい。」
『何がですか?』
五条「Aがこんなに喋ってくれることがだよ。
入学したての頃はよく喋ってくれたのに。瑠夏からの脅し…って程でもないかもだけど、それがあってから誰とも殆ど喋らない。最低限の会話だけじゃないか。」
『……喋るのは好きですよ。』
五条「だろうね。根は優しくていい子なのに。」
『……褒めたって何も出ませんよ。』
五条「知ってる。」
暫くの沈黙が流れ、口を開いたのは俺だった。
『…1年生にも嫌われますかね。』
五条「2年の皆みたいに?」
『……ええ。』
五条「……多分ね。でも僕がいるじゃん。」
『…理解者は1人だと苦労しますよ。』
五条「承知の上さ。」
五条先生は俺の事をよく理解してくれる先生だ。だから、"嫌い"なのだ。
1人だけだから。俺の事をよく考えてくれるたった1人の理解者だから。
2年の皆は俺の話を聞こうとしない。当たり前といえば当たり前なのだろう。
2年の"アイドル"の甘野 瑠夏をいじめていると決めつけられているのだから。
自作自演の"舞台"に立たされ操り人形の如く流れるままに話が進む。
いつも決まってそれに気付くのは五条先生だ。
『……五条先生は、』
五条「ん?」
『クズですけどいい人ですよね。』
五条「…いい人ねー」
『周りは貴方を事をクズだと言います。確かに俺もクズだと思います。』
五条「刺さるね〜」
『…でも生徒のことになれば親身に考えてくれる。周りは俺の話を聞こうとしない。でもアンタは違うんだ。俺の話をよく聞いてくれる。殆ど話もしない俺の下らない話を。』
五条「Aと話すのは嫌いじゃないからね。寧ろ任務での疲れを癒してくれるような時間だ。」
『…それは入学当時の話でしょう。最近の俺はずっと喋りもしないで誰かと関わる訳でもなかった。』
楽しくないだろうにと零すと、五条はぽんぽんと俺の頭に手を置いた。
五条「Aはさ、自分の事を低く見すぎるよね。」
『……?何が言いたいんです。』
五条「……そうだねぇ…」
『俺は俺が好きじゃない』五条「勿体なッ」→←『あんのさぁ……』五条「ん〜??」
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ゆなみん(プロフ) - 悲しすぎて!泣いてしまって!涙が止まらない!天才です!俺より天才です! (10月5日 19時) (レス) @page20 id: 0cd8eecdfa (このIDを非表示/違反報告)
獅戸(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!!面白いと言っていただけて嬉しいです!!次の作品でも是非お贔屓に……((( (2021年8月27日 0時) (レス) id: 3ac1786402 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - まじで面白かったです!これからも応援しています!頑張ってください! (2021年8月22日 5時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
自律 - メーカーで作ったのなら,メーカー名描いてください! (2021年5月21日 19時) (レス) id: 6ea500aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:獅戸 | 作成日時:2021年5月18日 22時