過去編7 ページ36
男として登校したその日からは、何故か事が上手く進んだ。
テストも、実技も、普段の日常も。
ある日、五条さんに言われた。
五条「君の進学校、決まったよ。」
『え?』
五条「今年、進学校も決めて受験でしょ」
『え…あ………そうだ…った』
あの日、私は何も無い平和な日常に慣れ親しんでから1年以上経ち、今は中3の夏だった。
五条「Aには呪術の才能がある。普通の高校に行くなんて勿体ない。だから、僕が勤めてる学校に行ってもらおうかと思ってね。」
『じゃあ受験とかって……』
五条「気にしなくても大丈夫!」
『そうなんだ……一気に気が抜けますね…』
五条「ははっ受験生として頑張ろうと思ってた?」
『ま、まぁ…それなりに頑張らないとって…』
五条「Aは真面目だねぇ」
『そっか…受験……気にしなくていいのか…』
五条「ね、ところでさ、最近学校どう?」
『上手くいってますよ。本当に気付かないなんて。』
五条「そっかそっか!楽しい?」
『五条さんと話す方が楽しいですが…以前よりマシ…って感じですかね。』
五条「サラッと嬉しいこと言ってくれるね」
適当に雑談をして風呂に入り、私は自室へ。
『…そっか……気張り過ぎなくていいのか』
勉強机に置かれた問題集や教科書、ノート、机に散らばったカラーペン。
軽く片付けて私は眠った。
それからの毎日はとても気が楽だった。
受験がなく関門をするりと抜けてしまった気分だ。だが気を緩め過ぎると定期テストで痛い目を見るので、適度に勉強して、適度に遊んで。
五条さんと出会ってからは本当にごく普通の中学生だった。
本当に何処にでもいるような。
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ゆなみん(プロフ) - 悲しすぎて!泣いてしまって!涙が止まらない!天才です!俺より天才です! (10月5日 19時) (レス) @page20 id: 0cd8eecdfa (このIDを非表示/違反報告)
獅戸(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!!面白いと言っていただけて嬉しいです!!次の作品でも是非お贔屓に……((( (2021年8月27日 0時) (レス) id: 3ac1786402 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - まじで面白かったです!これからも応援しています!頑張ってください! (2021年8月22日 5時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
自律 - メーカーで作ったのなら,メーカー名描いてください! (2021年5月21日 19時) (レス) id: 6ea500aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:獅戸 | 作成日時:2021年5月18日 22時