過去編4 ページ33
それから、私は学校も変えて順調に生活をしていた。
・
と思っていただけ。
結局はいじめられる。虐められたから転校してきたという噂はままたくまに広がり、私への虐めは止むことがなかった。
五条さんには迷惑をかけられなかったから、見えないようにして隠していた。
ポーカーフェイスは得意だ。いつもと同じ顔をしていればバレるはずがなかった。
ある日、同じクラスの女子の誰かに言われた。
「女なのにあの身長とかキモくない?女じゃなくて男だったりw」
「気持ち悪い」
「男みたい」
この言葉が離れなくて、私は3日学校を休んだ。
私は女。私は女なんだと言い聞かせたが、あの言葉はずっと頭の中でループ再生される。
それから、私は男のふりをする事にした。
苗字は五条で通していた。保護者と違う名前はおかしいだろうと言われる事を想定した五条さんがそうしてくれた。
だが名前を"京龍 巴"とし、もう一度転校生として登校する事にした。
勇気を振り絞って五条さんにその事を話した。
怒られるかもしれない。
何故かと問われるかもしれない。
だけれど、考えていた事と実際の五条さんの反応は違った。
五条「じゃあ制服買いなおそっか!髪はどうする?美容院教えようか?」
案外ケロッとしていた。
『え……と……怒ったり…しないんですか』
五条「だってAが決めたことでしょ?僕が決める事じゃない。それにAが苦しい思いをする事が何よりも辛いからね。」
その言葉にじんわりと胸が温かくなるのを感じた。
『………ありがとうございます。』
五条「声はそのまま?硝子に頼んで声帯作り直して貰う?」
『あ、それなら問題ないです。私両声類なので……男声も出せるんです。
こんな感じで……』
聞かせてみせると五条さんは意外な反応を示した。
五条「……えー……なんか…これ言うのあれだけどさ、凄い好みの声だね…」
『はへ…?』
五条「あっいや忘れて!んじゃ色々こっちで済ませとくからさ!Aは後は制服着て登校するだけでいいから!」
『あ、はい』
妙に引っかかる反応だった。
気にする事でもないかと、その日はいつも通りお風呂に入ってご飯を食べて、少しテレビを見て寝た。
登校するのは2日後。京龍 巴として登校する。
『………次こそ上手く行きますように。』
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ゆなみん(プロフ) - 悲しすぎて!泣いてしまって!涙が止まらない!天才です!俺より天才です! (10月5日 19時) (レス) @page20 id: 0cd8eecdfa (このIDを非表示/違反報告)
獅戸(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!!面白いと言っていただけて嬉しいです!!次の作品でも是非お贔屓に……((( (2021年8月27日 0時) (レス) id: 3ac1786402 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - まじで面白かったです!これからも応援しています!頑張ってください! (2021年8月22日 5時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
自律 - メーカーで作ったのなら,メーカー名描いてください! (2021年5月21日 19時) (レス) id: 6ea500aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:獅戸 | 作成日時:2021年5月18日 22時