過去編2 ページ31
それからというもの、いじめはピタリと止んだ。
不思議で仕方がなかったが当時の私は嬉しいの一言に限っていただろう。
ただ、虐'待は止むことはなかった。常に殴られ、蹴られ、罵倒され。
家へ帰る事は以前にも増して苦痛へと化していた。
出来ることならあんな家二度と戻りたくもない。だけれど帰る場所はあそこしかない。必要とされていなくとも、最低限生きる為にはそれしかなかった。
そんな日々が続いたある日、また五条さんに会った。
五条「……その痣…」
『……お母さんからです。』
五条「…酷いものだね。僕の家に来るかい？」
『でも…きっとお母さんは許してくれません。』
五条「……君はどうしたい？」
『……帰りたくない。』
五条「そう。なら、どうにか家を出る必要があるね。」
「家を出れたらこれに電話ちょうだい」と言って名前を教えて連絡先を貰って、別れた。
『……家を出るなんてそんな簡単に』
それでも私はあの言葉を信じたい。そういう考えが一瞬過ぎった。
『……荷物をまとめてお母さんに一言言って出ていこう。』
そう決めた私は、走って家へ帰った。
最後の帰宅はいつもと見る景色が違った。どこか色鮮やかで、風がすごく気持ちよかった。
私は帰宅してすぐ荷物をまとめた。お母さんは仕事で帰ってくるのは8時前。今は7時36分。十分にある時間の中で必要な物をバッグに詰め込み、私は家を出る準備を済ませた。
そして8時になる数分前、玄関が開き、いつもの足音が聞こえた。
『……お母さん。』
母「あ？何……んだよその荷物」
『私、家を出る。こんな生活もう懲り懲り。私は使い駒じゃない、ちゃんとした人間なの。あなたの憂さ晴らしになんてもう付き合ってられない。
でもここまで育ててくれたのは感謝してる。ありがとう。そしてさようなら。』
そう吐き捨て、私は急いで玄関へ走り靴を履いて外へ走り出した。
玄関へ向かう途中、母の罵声が飛んできたがそんなこと気にする事なかった。
私は家からしばらく離れた公園へ行き、息が上がったままベンチに腰掛けた。
胸ポケットから五条さんの連絡先が書いてある紙を取り出した。
時間は8時12分。この時間はまだ大丈夫だろうと思い、電話を掛けた。
3コールくらいで五条さんの声が聞こえた。
prrr......
prrr......
prrr......
五条「もしもし？」
『もしもし、神崎です。
家を出ました。』
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ゆなみん(プロフ) - 悲しすぎて！泣いてしまって！涙が止まらない！天才です！俺より天才です！ (10月5日 19時) (
レス) @page20 id: 0cd8eecdfa (このIDを非表示/違反報告)
獅戸(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…！！！面白いと言っていただけて嬉しいです！！次の作品でも是非お贔屓に……（（（ (2021年8月27日 0時) (レス) id: 3ac1786402 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - まじで面白かったです！これからも応援しています！頑張ってください！ (2021年8月22日 5時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
自律 - メーカーで作ったのなら，メーカー名描いてください！ (2021年5月21日 19時) (レス) id: 6ea500aa96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅戸 | 作成日時：2021年5月18日 22時
