元殺し屋、転生します〈名探偵コナン〉

下準備 ページ13

火事から一週間後、俺は高校に退学届けを出し、新たなアパートを借りた

１ヶ月で四万三千円の大広間1、風呂にトイレ、キッチンもついてる

大家さんが優しい人で最初の三ヶ月は家賃を半額にしてくれるらしい。正直すごく助かった

一度下見に行った時も右隣は住んでおらず、左隣は優しそうな四十代半ばの夫婦だった

ここでの生活は上手く行きそうだ


バイトは、日中は飲食店に働くことになった。店長も店の雰囲気もよかったので安心してやっていける

そして夜はホストクラブの仕事に就いた

ここだけの話、顔には自信がある。実際今まで告白された数は両手では数えきれない。一度おっさんに言い寄られた事もあったが、自慢の技で殴り飛ばした事もある

時給も高く、店に行ったら即採用、今は雑用として、ルールなどを学び中だ


弟に家事を全部任せる訳にはいかないので、朝ごはんと洗濯は空いてる時間でやる事に決めた

家具や必要な調理器具は一通り揃えた

燃えた教科書なんかは学校が賄ってくれるらしいし、衣類は訳を話したら隣近所の人が昔の使えなくなった服や布をくれたので前世で培った技術を使い、三人に合うように服を作った

これで生活の準備は出来た


残る問題は、


『火事の容疑者だな』


工藤の情報によると、残った外壁の部分から油が検出されたらしい

内側なら油をこぼしたなどの理由があるが、外壁に塗ってあるなんて異常だ

つまりこれは不注意による事故とかではなく計画的犯行って事になる


俺はバイトを休まずしていた事により、容疑者から外され、今は特定してる途中らしい





だけど俺は、犯人が誰かを把握している


名前は池谷 美由紀(ｲｹﾀﾆ ﾐﾕｷ).45歳
現在は一軒家に一人暮らしをしている


犯行動機は夫である池谷雅人(ﾏｻﾄ)を父さんが信号無視の容疑で車で追っている時、スピードの出しすぎで曲がりきれずにそいつの車が衝突。即死だったらしい

そのせいで近所からの悪口、いたずら、生活面での苦労などが重なったらしい


つまり完全な逆恨みだ


犯行の証拠は家に向かうまでにあるいくつもの監視カメラに映っており、手には油を所持、カバンには空きビンとタオルが入っていた。きっと簡易的な火炎瓶でも作ったんだろう

さらに近所の人に聞いたところ、家の周りでコソコソとしているのを見た人もいる


ほとんど確定と言ってもいい


その情報を警察に流せばきっとあいつは捕まる

それをしない理由は、俺があいつを殺すからだ

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