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「は、ハハ…分かってんだよ……そんなこと、最初から分かってんだ…」
ボソボソとそう言った光弥は勝己の両方の二の腕辺りを掴み、視線を地面に落とした。
勝己は彼の胸ぐらから手を離し、彼の両肩を優しく掴んだ。
彼が小さく震えているのが分かる。
「嫌だ…もう嫌なんだよ」
「…何がだよ？」
「分かんねぇ？お前と双子なのが嫌なんだよ」
「っ…」
兄からの衝撃発言に悔しそうに口をキュッと閉じる勝己。
光弥は弟が今どんな顔をしているのか気にせずに、俯いたまま続ける。
「もし、お前と双子じゃなかったら…年の差がある兄弟だったら…どっちかが女だったら…赤の他人だったら、こんな思いせずに済んだんだ」
「……」
「でも双子だからお前の事が何でも分かっちまう、嫌って程に。お前が俺の言う事なんか聞かずにヒーローを辞めないのも、戦いから逃げないのも全部全部分かってんだよ」
「……」
「お前の事なんか分かりたくねぇ。分かったって、どうせ苦しいだけなのに…けど、双子だから分かる。分かっちまう。なぁ、何で俺達、双子なんだろうなぁ？」
顔を上げた光弥はポロポロと涙を流していた。
兄がこんなにもみっともなく泣くのを初めて見た。
否、そもそも初めてなのがおかしいのだ。
幼い頃の記憶を辿っても、いつもいるのは笑顔の兄だ。
泣いている姿なんてない。
だからこういう時、どう慰めるべきなのか。
普通なら分からない。
だが、
何故なら……
「──俺は、お前と双子だから救われてた。それは今も変わらねぇ。俺は、お前と双子で良かったって思ってんだ。お前がいてくれたから、俺は俺でいられた。前を向いていれた。だから、」
ごめんなんて言葉は、今1番聞きたくなかった。
涙が一瞬で引っ込み、絶望に陥った表情する光弥を置いて、勝己は彼に背を向けて歩き出した。
「…ま…待ってよ勝己……何でお前が謝るんだよ…なぁ……勝己、嫌だ……行かないで…」
光弥の嘆く声は勝己には届いてるはずだが、結局、彼が兄の方を向くことはなかった。
「何で…何で何で何で何で何で！？何で俺を置いていくんだよ！嫌だ独りは嫌だ！寂しい怖い……お前も俺を置いていくのかよ……結局皆同じなんだ……誰も俺を選ばない……ならもう」
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もっちりパンダ(プロフ) - マジ最高です!更新楽しみに待ってます。頑張ってください! (2月29日 22時) (
レス) @page8 id: 55730a40a9 (このIDを非表示/違反報告)
ミラこ - 1日で一気に読みました！面白いし感動するし最高です！更新待ってます！ (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 70229c7aa2 (このIDを非表示/違反報告)
しろ - あとちょっとでこの作品が終わってしまうと思うとすこし寂しさもありますが、ラストがとても気になります、、！更新楽しみにしてます (7月18日 23時) (レス) @page3 id: 93afb517a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハコ28 - 続きを楽しみに待ってます！ (2023年5月3日 12時) (レス) id: 4a04534ded (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2023年4月30日 21時
