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『俺を救わなくていいよ』
光弥の口から出たのは1番聞きたくなかった、望んでいなかった言葉だった。
「は？」と勝己は一瞬頭が真っ白になった。
それは違ぇだろッ！とギリッと奥歯を噛み締める。
「お前が救うべき奴はデクだ。俺じゃない。だから俺のことはもういいよ」
「っざけんなや！何勝手に1人で諦めてんだよ！？」
「別に諦めた訳じゃねぇよ。ただ、俺じゃお前の隣に立てねぇからさ」
「あ？」
「お前の隣には、互いに高め合っていける奴が相応しいんだ。んで、それがデクであって俺じゃなかったってだけさ」
「だからデクを救ってやってくれ」と光弥は節目になりながら言った。
"まただ…また
やっと彼の手を掴めると思ったのに、勝己の手は空を切る。
また彼は遠くに行ってしまったのだ。
勝己はギュッと両手の拳を握り締め、今出せる精一杯の落ち着いた声で言った。
「それが…お前の本音なんか？」
「あぁ、そうだよ。俺を救わなくていい。勝己、お前が救うべきなのは俺じゃなくてデクだ。これは俺の本音だ」
「ッ…ンでだよッ…」
やっと光弥の本音が聞けたが、それは勝己にとって1番聞きたくなかった本音。
勝己は必死に込み上げてくる感情を抑え込む。
今ここで爆発させるのは間違っているから。
背中越しに勝己が震えているのを感じる光弥。
ったく、しょーがねぇなぁ。という意味で1つ溜息を付くと、優しい声で言った。
「勝己。お前はホント優しいなぁ。俺はさ、そんなお前の優しさに何度も救われてんだ。俺はもう十分貰った。いや、貰い過ぎた。だからさ、それを今度は別の奴にやってくれ。お兄ちゃんからのお願い、聞いてくれるか？」
「…お前はホントにそれで良いんか？」
「あぁ、もちろん良いよ」
「……」
最後、勝己が肯定したのか否定したのかは光弥には分からない。
だが、ここで聞き返す時間はもう無い。
「じゃあ、俺はもう行くよ」と言って光弥は立ち上がったが、勝己は蹲ったまま何も言わない。
「勝己、次会ったらちゃんと決着を着けよう。それが俺とお前の最後だ」
「……」
「…じゃあな、勝己。それまで元気でな」
「っ！」
勝己が振り返った時には、もう光弥の姿は無かった。
「ンでだよ……ンでお前は、俺には選択肢をくれねぇんだよ…！」
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真昼 - 下のコメントの名前「明日香」になっていますが、「真昼」の間違いです(⌒-⌒; ) (2023年4月3日 22時) (
レス) @page44 id: 4aa49d82fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 更新されていて気付いたら叫んでいたそうです(〃ω〃) とても嬉しかったです！！無理しない程度に頑張って下さい！ (2023年4月3日 21時) (レス) id: 4aa49d82fe (このIDを非表示/違反報告)
s a e(プロフ) - ゆっくりでいいので、投稿待ってます！ (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 2f57eaf439 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ナツさん» お気になさらずに！省略すると分かんなくなっちゃうときってよくあるので大丈夫ですよ！作品の更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2023年1月20日 22時) (レス) id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - シオンさん» 指摘ありがとうございます！こちらのミスです、すみません！ (2023年1月20日 22時) (レス) @page42 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2022年2月19日 9時
