・ ページ31
＊
「ｱｯﾊﾊｯ何勝己ぃ？俺に頼られなかったからって落ち込んでんの？」
「……悪ぃかよ？」
「！…お前が素直とか珍し。相当キてんだなぁ」
「……」
光弥は黙った勝己の背中にさっきよりも体重をかける。
そして落ち着いた声で話す。
「安心しろよ勝己。お前ほど頼りがいのある奴はいねぇから。少なくとも、俺は世界で1番お前を頼りにしてっからさ」
「だったらンで「だからだよ」…あ？」
「1番頼りにしてるから、邪魔したくなかった。お前には自分の夢に向かって一直線に突っ走って欲しいんだ」
「俺なんかのために時間を無駄にして欲しくねぇんだよ」と光弥は真っ黒な天を仰ぐ。
その時の彼は、弟を見守る兄の目をしていた。
しかし勝己は納得のいかない表情を浮かべている。
「それ、本気で言ってんのか？俺がお前のために時間を使って、時間の無駄って思うような最低な奴だと思ってんのか？」
「ﾊﾊｯまさか、思ってねぇよ。最低なのは俺の方だ。勝己、お前は優しいからそう言ってくると思ってた。そんなお前の優しさに甘えて頼るのをお前が許しても、俺が俺を許せねぇんだ。だから頼らなかったっつーか、頼りたくなかった」
光弥から語られる、今まで溜め込んでいた想い。
やっと腹を割って話してくれたことに嬉しさを感じる反面、これもまた冗談ではないかと疑ってしまう勝己。
今まで何度もこんな場面があり裏切られてきたので、勝己は心のどこかで光弥を完全に信用しきってはいないようだ。
だが、そう考えると"俺も最低じゃねぇか"と思い、ハッと鼻で笑った。
「ンなの俺も一緒だわ。お前の優しさに甘えてお前と向き合おうとしなかったんだからな。同罪だろ」
「それは違ぇよ勝己。お前はそれで良いんだ。弟が兄貴に甘えるのは当然だからな」
「…だったらてめぇは誰に甘えんだよ？」
「俺は良いんだよ。お前が夢に向かって突っ走れるんならさ｡だからさ勝己、」
＿＿俺を救わなくていいよ
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1884人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真昼 - 下のコメントの名前「明日香」になっていますが、「真昼」の間違いです(⌒-⌒; ) (2023年4月3日 22時) (
レス) @page44 id: 4aa49d82fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 更新されていて気付いたら叫んでいたそうです(〃ω〃) とても嬉しかったです！！無理しない程度に頑張って下さい！ (2023年4月3日 21時) (レス) id: 4aa49d82fe (このIDを非表示/違反報告)
s a e(プロフ) - ゆっくりでいいので、投稿待ってます！ (2023年2月19日 22時) (レス) @page42 id: 2f57eaf439 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ナツさん» お気になさらずに！省略すると分かんなくなっちゃうときってよくあるので大丈夫ですよ！作品の更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2023年1月20日 22時) (レス) id: fd40c107eb (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - シオンさん» 指摘ありがとうございます！こちらのミスです、すみません！ (2023年1月20日 22時) (レス) @page42 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナツ | 作成日時：2022年2月19日 9時
