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＊
「…ねぇみっちゃん。一つだけ聞かせて」
「…何？」
「さっきみっちゃんは壊理ちゃんを助ける気は無いって言ったよね？」
「ああ、言ったよ」
「じゃあ何で壊理ちゃんと会ったあの時、僕を止めたの？壊理ちゃんの気持ちを無駄にするなって言ったのは、何だったの？」
「あ〜それ？そんなの……」
──冗談に決まってんだろ？
その光弥の一言で、緑谷は酷くショックを受けた。
「あの時、お前にアイツらを追いかけられたら俺の計画が狂うからそう言ったまでだ。壊理の気持ち？んなの知る訳ねぇだろ」
「ッ…！」
「みっちゃん！！」と背を向けた光弥の肩をガシッと緑谷は強く掴んだ。
だが次の瞬間、光弥の拳が緑谷の左頬に入った。
「ｳｸﾞｯ」と短い呻き声を上げ、緑谷は後ろに尻もちをついた。
「緑谷！」と切島や麗日、蛙吹が彼に駆け寄る。
そして「何やってんだよ光弥！」と切島が光弥を見上げた。
「は？先に突っかかって来たのはそっちだろ。なのに俺が悪もんかよ」
「だからって殴るこたねぇだろ！？」
「っるせえなぁ。強い奴ならそれぐらい避けられんだろうが。避けられねぇって事は弱ぇって事だ。少しは考えろアホ」
「…ッ！」
切島もまた、何も言い返せない。
何も言って来ない彼を見て、つまんねぇの、と光弥は内心溜息をついた。
そして緑谷を見下ろし、「デク」と言った。
「テメェもテメェだ。自分が無力だからって、俺に当たってんじゃねぇよクソが」
そう吐き捨て、光弥はクルっと殴られた頬を押さえている緑谷や切島達に背を向け、出口へ歩き出した。
誰一人動くことは出来ない。
これ以上、光弥の気に触るような行動をすれば、良くない事が起こると、誰もが直感的に思ったからだ。
「あ、言い忘れてたけど」と光弥が振り返った。
「イレイザーヘッドに聞いても無駄だから。この人も俺の人選から外れてるからね」
そうにこやかに言った光弥は、今度こそ出口へと向かった。
光弥は最後の最後まで、全ての希望を摘み取っていったのだった。
切島達に視線を向けられた相澤は、気まずそうに顔を逸らす。
「…くそ」
と、緑谷は悔しそうに拳を強く握った。
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ARy - 好き (5月3日 15時) (
レス) @page37 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2021年12月25日 22時) (レス) @page38 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
あーりん - 私もこの作品にはまって一気読みしちゃいました！文を書くのがとても上手で読んでいてわくわくします！！更新頑張ってくださいd=(^o^)=b (2021年12月23日 18時) (レス) @page37 id: 86690bee99 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2021年12月14日 20時) (レス) @page31 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
紫霊 - 一気に読みました!!!とても素敵なお話ですね。これからも頑張ってください(*^^*)光弥くんがヴィラン側に堕ちるのかヒーロー側に留まる(?)のかこれからの展開が楽しみです！！！ (2021年12月11日 18時) (レス) @page30 id: 84d5eb71dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2021年9月9日 18時
