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ブォーンッと大きな音を立てながら、その車が光弥達の方へ近付いてくる。
周りの人達は何だ何だとその車を見て、何人かの人はスマホで動画を撮っている。
光弥もボーッとその車を見る。
「危ないッ！」
誰かの叫び声がした。
光弥が前に視線を戻すと、小さな男の子が交差点に飛び出していた。
そしてその男の子目掛けて車が向かって行く。
「ヤバい」という表情する人達だが、誰も助けようと動かない。
光弥もその一人である。
"あ、死ぬな"と男の子を見つめ、ただその瞬間を待つだけ。
＿＿＿ビュンッ
光弥の真横を見慣れた銀髪が駆け抜けて行った。
光弥はゆっくりと目を見開く。
その銀髪は男の子に向かって走って行く。
猛スピードの車が来ているのにも関わらず、ただ走って行く。
「危ない」とも「やめろ」とも声が出なかった光弥。
ただ、銀髪の後ろ姿を眺めているだけ。
そして銀髪が男の子を抱きかかえた瞬間＿＿
＿＿＿ドォーンッッッ!!!!!
「おい子供が2人轢かれたぞ！」
「誰か救急車呼べ！」
「ヤバい！かなり出血してるぞ！」
周りの大人達が騒いでいる中、光弥はその場に立ち尽くしているままであった。
引き攣った笑みを浮かべながら。
「…は……ははっ……冗談…だろ…？あいつの……永杜な訳ないだろ…？だってあいつは……」
光弥は先程、永杜が向かった自販機に視線を移した。
しかしそこに永杜がいるはずもなく、そこには彼が好きでいつも買っていた未開封の炭酸ジュースのペットボトルが無造作に転がっていた。
それを見た光弥の頬を冷や汗が流れ落ちる。
「……嘘…だろ？」
光弥はバッと交差点の方を振り返った。
交差点には赤が広がっており、その上に黒い学ランの男子中学生と小さな男の子が転がっている。
男の子の方は泣いているのかピクピクと動いているが、中学生の方はピクリとも動かない。
"おい、何で……何でお前がそこにいるんだよ。何でお前が飛び出してんだよ。お前はそこから離れてたじゃねぇか。一番近かったのは俺だろ…俺が行くのが正解だろ。何で、何でお前がいってんだよ。お前は死ぬべきじゃない。生きるべきなんだよ…あ"ぁｯ違う違う！お前じゃない！そこにいるのはお前じゃない！俺なんだ！何で…何で何で何で何で何で何で何で何で何で！？"
「何で俺じゃないんだｯ…！？」
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ARy - 好き (2023年5月3日 15時) (
レス) @page37 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2021年12月25日 22時) (レス) @page38 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
あーりん - 私もこの作品にはまって一気読みしちゃいました！文を書くのがとても上手で読んでいてわくわくします！！更新頑張ってくださいd=(^o^)=b (2021年12月23日 18時) (レス) @page37 id: 86690bee99 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2021年12月14日 20時) (レス) @page31 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
紫霊 - 一気に読みました!!!とても素敵なお話ですね。これからも頑張ってください(*^^*)光弥くんがヴィラン側に堕ちるのかヒーロー側に留まる(?)のかこれからの展開が楽しみです！！！ (2021年12月11日 18時) (レス) @page30 id: 84d5eb71dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2021年9月9日 18時
