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「うわぁー、綺麗」
大きな音と共に夜空に浮かんだ花火を見上げて、先輩が声を上げた。
その横顔を見つめて、"先輩の方が綺麗だよ"なんてベタな事を思ったけど口に出せる筈もなく、俺も花火を見る。
‥‥何でこんな事になったんだろう。
本来なら同級生と過ごしているはずだったこの花火大会。
ちょっと私用で遅れて、着いた頃にはもう会場は人でいっぱいで。
指定された場所まで行くのはちょっと無理かなーなんて思いながら屋台の前を歩いていた時、１人ふらふらしてる先輩がいた。
どうやら先輩は、一緒に来てた人達とはぐれたらしい。
手には一本のイチゴ飴を持っていて、それがはぐれた理由だとすぐに察しはついた。
"ちょうど良かった！おれの穴場スポット教えてあげる！"
そう言って俺の意見も聞かずに連れて来られたこの場所は本当に人の気配が無くて、まるで俺達で花火を独占してるかのような贅沢さで。
本来なら目一杯この空間を楽しむのに、それが出来ないのは隣にいる先輩のせい。
‥振られた一週間後に二人で花火って、気まず過ぎて全く楽しくない。
‥‥先輩は、楽しいんだろうか。
ちらりと盗み見た横顔はこの状況なんて全く気にしてないようで。
きっと１人じゃなければ誰でも良かったんだな、なんて結論付けて、失恋したばかりの傷を自分でえぐる。
ここにこうして二人で居て、ずっとモヤモヤしてるのも嫌だし、屋台で何か買ってこようかな。
スッとその場から立ち上がると、花火に釘付けだった先輩の瞳が俺を捕らえた。
「え、山ちゃんどこ行くの？」
「ちょっと屋台行ってこようかと思って」
「何か食べたい物でもあるの？」
「あー‥、なんか、甘いものが‥‥」
さっきから先輩と二人きりという状況に脳が疲れてしまったのか、異様に甘いものが食べたい。
「先輩も何か食べます？買ってきますけど。」
「や、別にだいじょぶ。てか甘いの食べたいならイチゴ飴あげよっか？」
そう言って、まだ封も開けてないイチゴ飴を差し出してきた。
いやいや、それ買う為に友達とはぐれたんでしょ、そんな物貰えるはずないじゃん。
「いやそれ、先輩が食べたかったんでしょ？」
「うん、そうだけど。‥っあ、じゃあ一緒に食べる？」
「‥はぁ？」
何言ってんだこの人。イチゴ飴なんて絶対半分に出来ないと思うけど。
戸惑う俺を余所に、先輩はイチゴ飴の封を開けてしまった。
その後どうするのかと思っていたら、そのまま俺の方に差し出してくる。
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けーまま(プロフ) - お魚林檎さんの書くやまいのがすごく好きです。 (2019年8月21日 12時) (
レス) id: ec2812ad48 (このIDを非表示/違反報告)
はっぱっぱ(プロフ) - コメント失礼します！お魚林檎様のお話めちゃくちゃ好きです！長くなってもいいので続き読みたいです(>_<) (2018年11月8日 16時) (レス) id: e47f1458b3 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - しゅみんさん» しゅみん様、お久しぶりですー！いつもいつもコメント頂きありがとうございます！本当に更新せずに申し訳ないです。これから少しずつでも頑張っていこうと思ってますので、またよろしくおねがいします(^-^) (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - りょうかさん» りょうか様、初めてまして！コメントありがとうございます！夢を見てるのかと思わせてしまう程に更新が止まっていて本当にすみませんでした‥こんな駄文をずっと読んでいてくださり感謝してます！これからもどうか何卒！よろしくおねがいしますm(__)m (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅみん(プロフ) - お久しぶりです！！更新の通知でなんだろう、と思って占ツクきたらお魚林檎さんで本当に嬉しかったです(*^^*)過去のお話を読み返したりしてずっとお待ちしてました！新しいお話も続きが気になるところで…楽しみにしてますね★ (2018年11月5日 13時) (レス) id: 3becace49b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お魚林檎
| 作成日時：2017年10月2日 1時
