★ ページ14
「あーー!大ちゃんどうしよーーー!」
「どっちのこと?彼女?それともいのちゃん?」
「両方!!」
勝手知ったる大ちゃんの部屋。あの後、急に押し掛けた俺を迷惑そうな顔で迎え入れてくれて。
ソファに寝転びクッションを抱きしめながら脚をバタつかせる俺を、冷めた目で大ちゃんが見下ろす。
なんだよ、少しは優しくしてよ。
「まぁ彼女の方は、ちゃんと謝って土曜日に完璧なデートすればいいじゃん。」
「まぁそうなんだけどぉ、」
「何よ、なんか歯切れ悪いじゃん。」
「‥正直、今は伊野尾ちゃんの事でいっぱいで、デートに集中なんて出来ないと思う。
だって、何で急に?何で避ける訳?俺なんかした?もう全然分かんねぇよーー!」
「山田は心当たりないの?」
「あったら大ちゃんに相談なんてしてないって!
ねぇ大ちゃん、なんか知らない?」
「‥知らない。」
「ッチ、役に立たねぇな。」
「おい、今すぐ帰れ。」
「やだぁ、見捨てないでー」
そう言って、大ちゃんにすがり付くマネをするとぽんぽんと頭を叩く優しい手。
「あのさぁ、ならいのちゃんに直接聞いてみたら?」
「直接?」
「うん、このままじゃ両方失うかもよ?」
「え、やだ何それ怖い。」
「だからさ。聞いてすっきりして、デートでも何でもすりゃあいいじゃん。」
「なんかトゲを感じるんだけど。
‥でも伊野尾ちゃん二人で会ってくれないし。」
「押し掛けろよ。」
「そんな強引な‥」
「オレに今してんですけど?!」
そうだった、と二人で顔を見合わせたら何だか可笑しくなってきて声を出して笑う。
あぁ、やっぱり大ちゃん家来て良かった。元気と勇気を貰った。
「俺、ちょっと行ってくる。」
「おう、頑張れよ!」
その言葉と一緒に、真っ直ぐ伸ばされた腕の先にはやけに気合いの入ったサムズアップ。
頷いて、伊野尾ちゃんの元へ駆け出した。
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けーまま(プロフ) - お魚林檎さんの書くやまいのがすごく好きです。 (2019年8月21日 12時) (レス) id: ec2812ad48 (このIDを非表示/違反報告)
はっぱっぱ(プロフ) - コメント失礼します!お魚林檎様のお話めちゃくちゃ好きです!長くなってもいいので続き読みたいです(>_<) (2018年11月8日 16時) (レス) id: e47f1458b3 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - しゅみんさん» しゅみん様、お久しぶりですー!いつもいつもコメント頂きありがとうございます!本当に更新せずに申し訳ないです。これから少しずつでも頑張っていこうと思ってますので、またよろしくおねがいします(^-^) (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - りょうかさん» りょうか様、初めてまして!コメントありがとうございます!夢を見てるのかと思わせてしまう程に更新が止まっていて本当にすみませんでした‥こんな駄文をずっと読んでいてくださり感謝してます!これからもどうか何卒!よろしくおねがいしますm(__)m (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅみん(プロフ) - お久しぶりです!!更新の通知でなんだろう、と思って占ツクきたらお魚林檎さんで本当に嬉しかったです(*^^*)過去のお話を読み返したりしてずっとお待ちしてました!新しいお話も続きが気になるところで…楽しみにしてますね★ (2018年11月5日 13時) (レス) id: 3becace49b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お魚林檎 | 作成日時:2017年10月2日 1時