★ ページ12
どのくらいぼーっとしていたのだろう。
ぶるりと体に寒気が走って、思わず肩をすくめた。
あぁやだやだ早く帰ろ。風邪なんか引いたら大変だ、看病してくれるような恋人なんていないんだし。
歩き出そうとした時、前からイケメンが四人歩いてきた。
凄い、揃いも揃って全員イケメン。こんな光景見たことないよ、おったまげだ。
彼らとすれ違う人、全員が振り向くイケメン集団の、その内の一人が特に、もうこの世のものとは思えない程にキラッキラしていて。
失礼だとは思いつつも凝視してしまう。
だって恋人と別れた後にこんな事、目にも心にも最高の栄養剤じゃん。
すごー、もしかして芸能人とか？おれが疎くて知らないだけ？
無遠慮にじーーっと見ていたら、そのキラッキラの彼と目が合った。
あ、やばい見すぎた？でも目力強すぎて反らせない。
え、嘘、こっち来る。見てんじゃねぇよ、とか言われて怒られたらどうしよ。
え、え、やば、どうしよ？ ーーーっ、
「あ、すみま「‥‥先輩？」‥‥‥ほぇ？」
「やっぱり、伊野尾先輩だ。」
そう言って眩しい位の笑顔を見せるイケメン。
え、知ってる人？いやまさか。おれがこんなイケメン忘れるはずないし。
人違いかな。でもおれの名前知ってたよな。
頭の中パニックで何も反応が出来ないおれに目の前のイケメンが悲しそうな顔をした。
「俺の事忘れちゃったかな。‥急に話し掛けてすみません。
俺、同じ中学‥「涼介、僕たち先行ってるね」あぁ、ごめん、すぐ行く」
りょーすけ？同じ中学って言いかけてた？りょーすけなんて名前のイケメン知り合いに居たっけ。
りょーすけで知ってるのは‥山田りょ、、え、嘘でしょ、もしかして。
「‥山ちゃん？」
意図せず溢れたその声が相手の耳にも聞こえたようで、目の前のキラッキライケメンは物凄く嬉しそうに笑った。
「はい、そうです！お久しぶりです伊野尾先輩」
――――うそ。
イケメンになってるんじゃ、とは思ってたけど、想像の5倍、いや10倍はイケメンで。
声も、あの頃よりずーっと色気が増していた。
唯一あの頃のままなのはおれとの身長差くらいで、後は全部想像以上。
あの、忘れるどころかつい数秒前まであなたの事考えてましたけど。
どくん、と激しく心臓が鳴る。
あの頃に置き去りのままの、山ちゃんへの恋心が急速に動き出していくのを止めるように、自分の心臓の辺りを握りしめた。
―偶然、だけど運命って思ってもいいかな？―
fin.
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けーまま(プロフ) - お魚林檎さんの書くやまいのがすごく好きです。 (2019年8月21日 12時) (
レス) id: ec2812ad48 (このIDを非表示/違反報告)
はっぱっぱ(プロフ) - コメント失礼します！お魚林檎様のお話めちゃくちゃ好きです！長くなってもいいので続き読みたいです(>_<) (2018年11月8日 16時) (レス) id: e47f1458b3 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - しゅみんさん» しゅみん様、お久しぶりですー！いつもいつもコメント頂きありがとうございます！本当に更新せずに申し訳ないです。これから少しずつでも頑張っていこうと思ってますので、またよろしくおねがいします(^-^) (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
お魚林檎(プロフ) - りょうかさん» りょうか様、初めてまして！コメントありがとうございます！夢を見てるのかと思わせてしまう程に更新が止まっていて本当にすみませんでした‥こんな駄文をずっと読んでいてくださり感謝してます！これからもどうか何卒！よろしくおねがいしますm(__)m (2018年11月8日 15時) (レス) id: d578971ad8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅみん(プロフ) - お久しぶりです！！更新の通知でなんだろう、と思って占ツクきたらお魚林檎さんで本当に嬉しかったです(*^^*)過去のお話を読み返したりしてずっとお待ちしてました！新しいお話も続きが気になるところで…楽しみにしてますね★ (2018年11月5日 13時) (レス) id: 3becace49b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お魚林檎
| 作成日時：2017年10月2日 1時
