復帰までの日々 ページ32
私がジャニーさんと話して復帰が決まった日から
半年が過ぎようとしてた
あれから私は学校が終わったらほぼ毎日ダンスや歌のレッスンを受けていた
1年もブランクがあるから最初はついて行くのに必死だった
でも、もともと歌もダンスも好きだったから
毎日とっても楽しかった
歌の先生「Aって普段どんな音楽聴くの？」
「んー、hip hopとかよく聞きますよ」
歌の先生「え、意外
じゃあさ、ラップとか練習してみようよ
フィメールラッパーとかかっこいいじゃん！」
「えぇ、私聞いてばっかりでラップとかやったことないですよ笑」
歌の先生「いいから！やってみよう！」
ラップも最初は難しくて全然出来なかったけど
沢山練習したり、動画とかも沢山見て勉強して
少しづつ出来るようになっていった
ダンスの先生「Aは女っていう強みを生かした方がいい」
「女の強み…？」
ダンスの先生「そ、女の強み
今までは皆んなと同じようにって意識してたんやろうけど
それだとAの良さを殺すことになる」
今まで、女やから周りから浮かないようにって体を大きく見せて
周りの人と同じように踊ってた
衣装だってそう
あんまり肌を見せないようにステージではスカートは履かんかったし
靴もスニーカーばっかりやった
ダンスの先生「周りに合わすってことももちろん大事だけど
全部一緒じゃつまらない
これからは今までと違うAを見せていこう」
そうして、女性らしいしなやかな動きや、表現を沢山練習した
確実に前よりも成長できてる
早く皆んなとステージに立ちたいという思いが強くなっていった
そんな中、ジャニーさんが亡くなった
私の復帰一番楽しみにしていてくれたジャニーさん
復帰を見せて上げられない悲しさと、悔しさで涙が止まらなかった
「、サプライズしようって、お披露目が楽しみだって…言ってたやん、っ」
私の復帰する姿、ジャニーさんにも見て欲しかったな…
【大丈夫、YOUのことはずっと見守ってるよ】
「、え」
…
確かに聞こえた、あの優しくて温かい声
ジャニーさん、姿は見えへんけどずっと側にいてくれてるんや
じゃあ、ずっとめそめそしてるわけにはいかんな
ジャニーさんのためにももっともっと頑張らな
ジャニーさん、今までありがとうございました
これからもずっと天国から見守っててな
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作者名：なな | 作成日時：2023年1月8日 19時
