勇者姫、褒められる ページ7
自分の思うままに道を進んで、自分の思うままに歌っていると、誰かがこちらに近づいてくるのがわかった。
?「あ、あ、あのっ…」
なにかとあたふたしている、金髪の青年が私に声をかけた。
その後ろから口をぎゅっと結んだ、ふわふわの黒髪の青年も私の近くまでやって来る。
貴「あ、すみません。歌、煩かったですよね…」
苦笑いしながら、二人に謝罪の言葉を述べる。
もう夕方だし、歌なんて歌っていたら、流石にこの道の付近の住民の方々に迷惑だろうし。
?「え、ああ、いや、そ、そうじゃなくて…」
あわあわとした様子で目を回す金髪の青年。
そんな金髪の青年の頭を、後ろの黒髪の青年がチョップする。
?「いでっ!ちょ、そらるさん…」
貴「あ…えっと…?」
?「あ、えっとっ!その!!え、えあーと…その!!えーっと、です、ね、その…」
?「ちょ、まふ。一旦落ち着け。」
?「あ、そうですね」
まふ、と呼ばれた金髪の青年は、胸を撫で下ろし、大きく深呼吸する。
長く息を吐いた後、また口を開く。
?「貴女のっ!!歌声に聴き惚れましたっ!!!感動しましたっ!!涙が出ましたっ!!!もっと僕に貴女の歌声を聴かせていただけますですでしょかすばだ!!!」
貴「……え」
金髪の青年の高い声が、こだまする。
…唐突だし、最後の方噛んでるけど、私にとっては物凄く嬉しい言葉。
自分の歌を褒められたのなんて、あの日以来だなあ…。
?「…俺も。あんたの歌に聴き入った。」
黒髪の青年も言う。
しょ、初対面だあんた呼びっすか…。
あ、いや、別に大丈夫だけれども。
?「そ、そそそ、そのお…えっと…なんか、貴女の歌声を聴いてたら、なんか、胸の奥がぎゅっとなって、涙が溢れてくるっていうか…」
金髪の青年のほおには、涙の跡があり、目にもほんの少し涙が残っていた。
貴「そ、そんな滅相も無いっ!!私は好きで歌ってるだけなので…
あ、あの、私そろそろ行きますね…?」
?「え、あ、はい…よ、呼び止めてすみません。…どこに行くんですか?」
貴「…魔王を倒しに。」
??「「……は?」」
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雛紗(プロフ) - Aliceさん» ありがとう泣 励みになるっ!! (2018年7月10日 18時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - Aliceさん» お姉さんの名前間違えてた笑なぜか漢字にしてた()しかも偽名と本名ごっちゃ混ぜになってた笑笑アドバイス本当にありがとうっ! (2018年7月10日 18時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - Aliceさん» なるほど!ありがとうっ!! (2018年7月10日 17時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
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