互いの恋愛 ページ19
カヨside
その人は深呼吸をして手に取った枯れた花の花弁にそっと触れる。
すると、花弁が鮮やかなピンク色に変わった。
コハク「…驚いたでしょ?…僕、実は神の血を引いてるんだ。なんの神かは自分でもよくわからないんだけどね。…僕のこと、怖い?」
問われた。
驚いていない、と言うと嘘になる。
…でも。
なんにも怖くない。
神の血を引いていたって…
コハクくんはコハクくんだ。
それは何も変わりゃしない。
カヨ「正直に言うと驚いたけど、私は君のこと、怖くないよ!」
思わず手を握ってしまう。
お互い手が雨で濡れているけど気にしない。
コハク「カヨ…ちゃん?」
カヨ「たとえコハクくんがどんな怖い化け物でも、コハクくんの優しい心はちゃんとここにあるでしょ?」
彼の胸にとんっと手を乗せる。
カヨ「…初対面の人にこんなこと言われても説得力なんてないと思うけど、私はコハクくんのこと!怖くない!」
コハク「…そっか…。じゃあ、今日から、宜しく…ね!」
カヨ「うん!宜しく!今日から友達だよ!!」
固い固い握手をする。
その時の手の感覚は、今でも残ってるよ…
またここで会う約束をして、コハクくんは帰った。
いつのまにか足元の水溜りには青空がうつっていた。
ふふ、コハクくん。君はこの少しの時間で私の心を鷲掴みにしてしまったみたいよ。
生まれてこの方恋愛なぞしたことなかった私。
ミカ「カヨさーーーーーーん!」
背後から声が聞こえた。
カヨ「あ、ミカ!遅かったじゃん!」
ミカ「待たせてしまってすみません。あ、風邪ひいてませんか?」
私を心配してくれるミカ。
表情変わんないけどね。
カヨ「大丈夫だよ!寧ろありがとう!」
ミカ「?」
カヨ「そういえば忘れ物ってなんだったの…?」
ミカ「ああ、これです。」
ミカはガサゴソと何かを取り出した。
カヨ「緑色の…勾玉?」
ミカの手には緑色の勾玉で作った首飾り。
どことなく、犬のような顔をするミカ。
面白いけどからかわないでおこう。
ミカ「はい!カヨさんには見せておきたかったので…!」
ミカはそっと勾玉を撫でる。
ああ、大切なんだろうな…
ミカ「いつか自分に子供ができたらその子にあげようと思って、作ったんです!」
カヨ「そうなんだ…!いいね!凄いと思う!…そっか…ミカには運命の旦那様がいるもんね…!」
私はニヤリと笑みをこぼしてみた。
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時