聞いてくれ白石【テニプリ】 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:6,563 hit

9 ページ9

「なんで来たんや」

「図書委員やし、この前貸し出しやった時ここに忘れ物したんで…あった」

「…お前イヤホンしながら当番やっとったんか？」

「流石にそんなことしてないですけど。携帯と一緒に置いとっただけです」

光は、カウンターに入って引き出しを開ける。
そこにあった忘れ物を取り、部屋を出ようとしたところで何かを思い出したように立ち止まった。

「謙也さん、白石さん待ってましたよ」

「？…なんで？」

「いやミーティング終わってすぐ図書室駆け出して行ったでしょ謙也さん、白石さんが約束あんのになあ言うてました」

「……………あー！！！！！忘れてた！！！！！」

「声ほんまデカいっすね、じゃあお先です」

無駄に話し込んだりはしない後輩の後を追いかけようと、帰る準備を進める謙也。まるでスピードスター。

「あ、A！気ぃつけて帰りや！」

「あ、うん…？」

「すまん、白石待ってるから行くわ！」

「うん…！っあ、け、謙也くん！」

「なんや！」

「一瞬耳貸して」

「？」

急ぐ謙也の耳に、そっと手を置いてAは口を近づけた。

たった2文字、されど2文字。

「………………………今言うなやあほ…」

彼の心臓を射止めるには十分な言葉であった。