めんどくさい恋 (ページ5)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:48,618 hit

. ページ5

「律ちゃん…？」

部屋のドアに目を向けると
そこには律ちゃんがいた。

「なんで…」

律「なんでって…大阪…
行くって言うから…ハァ…ハァ…」

律ちゃん、息を切らしてる…

走ってきてくれたの？

「律ちゃん、大阪行くの
来月なのに走って…っ…」

気が早いよなんて、言おうと思ったのに。

笑って言おうと思ったのに。

律ちゃんは私のこと大事に
思ってくれてたのかなって思うと
涙がボロボロ出てきて。

「私、大阪行きたくない…」

ついでに弱音も出てきて。

律「A…」

律ちゃんがそっと私を抱き寄せる。

律「私だって、Aが大阪に
行くなんて信じられないよ。
ここ東京だよ！？
簡単に会えなくなるじゃん…
寂しいっ…」

その声は震えていて鼻をすする音も聞こえる。

律ちゃんが泣いてくれてる。

律「でもさ、Aと離れても
私たち友達じゃん！
会えなくても電話できるじゃん！
だからさ、笑ってまたねって言お？」

＂またね＂

その言葉にどれだけ安心しただろう。

あぁ、会ってくれるんだ。

私たちならまたちゃんと会える。

そう、確信できていたのは
目の前で律ちゃんが涙を浮かべながらも
笑ってくれているからだろう。

だから、私も精一杯の笑顔で返した。

来月は、もっと笑えてるよね。