めんどくさい恋 (ページ37)

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「違う教科やろうかな…
でも、ここでやめるのもなぁ…」

私が困り果ててると
ふっと、影ができたと同時に
右の方で手が置かれる。

向井「なんや、分からんとこあるん？」

その声に顔を上げると
康二先輩がいた。

「こっ…！」

向井「なんやねん。こっ、て。笑
どの問題？見せてみ。」

「こ、これです…」

向井「んーー？」

私がノートを指さすと
康二先輩がそれを見ようとするので
顔の距離が近くなる。

大橋「Aちゃん、顔あか…「しっ！！」」

大橋くん。あなたにはデリカシーがないの？

向井「あぁ、これな。
これはちょっと難しいかもなぁ。
これをな、こうして…」

「あー！なるほど！
ありがとうございます！」

向井「また、分からん問題
あったら、聞いてええから。」

「え、でもバイト中なのに…」

向井「今の時間、そんな
忙しくないから大丈夫やで！
あ、後これ。」

康二先輩が差し出したのはケーキ。

「え、頼んでませんけど…。」

向井「みんな、勉強頑張っとるからって
店長のサービスやで！」

キッチンの方を見ると、
店長さんと思わしき優しそうな
おじさんが手を振ってた。

「ありがとうございます！」

大橋「えー、俺らの分はー？」

向井「今持ってくるから静かにしぃ！」

「いただきまーす。」

ケーキをパクッと口に入れると
優しいクリームの味が広がる。

「んー！美味しい！」

高橋「めっちゃ美味しそうに食べるやん。笑」

「やー、だって美味しいもん！！」

自分でも顔がゆるゆるなのが分かる。

向井「そんな喜んでくれたら
店長も喜ぶわ。笑」

「そういえば、康二先輩
サッカー部って聞きましたけど
バイトもやってて大丈夫なんですか？」

向井「あー、ここのシフト
結構、自由やからな。
ほら、小さい店やから店長と
俺と他のアルバイト2、3人しかおらんくて
基本、1人、2人で店
回せるから週一でも大丈夫やねん。
部活終わったあとちょっとでも大丈夫やし。」

めっちゃ融通聞くなぁ。

私もここでバイトしようかな。