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五話 ページ6

チュンチュンといった小鳥の囀りで起きる訳でもなく

私の朝は布団を剥ぎ取られる

昨日のストレスがまだ溜まっていたのか荷ら荷らしながら私の目の前で大の字に足を開き腕を組む中也くんを一睨みする

「まだ寝てても良いでしょ…」

不貞腐れながら口を尖らしてぶーぶー子供が駄々を捏ねる様に"態々"起こしてくれた彼に悪態をつく




返ってくるのは深い溜め息



そろそろ起きないと重力で潰されてしまいそう何て…戯れでも無いこと呟きながら

布団からゆっくり出る

たちくらみ、目眩がするから目を掻いたら眠気も醒めてきた


ありがと、と彼に聞こえるか聞こえないかの声でぼそりと呟いて
私は彼の作ってくれた朝食に手を付けた

生憎私も彼も寝起きが悪い
朝ご飯を黙々と食べる私達の間を通るは静かな空間

他人から見てもきっとこれが恋人だとは思わないだろうが一応ちゃんとした恋人だ
 
中也くんも優しいし何ら不満は無い


「ご馳走様…美味しかった」

「嗚呼…」



見た目には沿わず私よりも丁寧に上品にゆっくり朝食を食べる彼は

悔しいがきっと私よりも世に云う女子力、生活力というモノを持ち備えてる

結婚したら中也くんが主夫か…


ヤバイ哀しくなって来たぞ

もう既に仕事着に着替え終わっている中也くんを横目に私も仕事着に着替える

今年で20になる女がこの格好は少しキツいが姐さんが用意してくれたんだ…

少し憂鬱な気持ちになりながら弓を背中に掛け、少し先に出ていた彼の後を小走りで付いていった


_______

ー補足ー

Aは普段異能力を使わない時弓を使って戦闘します

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作者名:水ノ瀬 蓮 | 作成日時:2021年4月18日 21時

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