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若林 side
原田「死んでるのに。あんたは死んでるのに」
若林「‥‥黙れっ‥‥!!あんた、あんたうるさいんだよっ‥‥!!!」
原田「あんたビビってんじゃないの?顔引きつってんじゃないの?マスク取って顔見せなさいよ。」
若林「‥‥!、嫌だ」
マスクなんて、取れるわけが無い……
原田「なんで」
だって
俺の顔は
若林「ムカつくからっ‥‥」
原田「で?」
田中「でぇぇぇえ?!」
若林「それで僕は!小学校も中学校も損ばっかりしてきたんだよ!!」
__顔がムカつく
たったその一言が僕にとって辛くて悲しくて
そんな些細な理由でハブかれてきた
ずっと、ずっとだ
原田「顔で損得もないよ‥‥って言いたいところだけど残念ながら世の中そんな甘くないんだよね。可愛いってだけで奢ってもらえるし、タクシー代払ってもらえるし、チップ貰って得するし。」
田中「ぜーんぶ、夜‥‥」
何が言いたいんだよ。
原田「つまり、どんな顔で得もするし損もする。あんたは今までその顔で損ばっかりしてきたって言うかもしれない。だけどね、あんた顔の損得の前にマスクしてちゃ、スタート地点にすら立ってないよ。」
スタート地点
あの時、灰崎さんは俺のようになりたいと言っていた
けど、俺の憧れは灰崎さんで
なのに、あの日の灰崎さんはどこか損をしている人にも見えた
原田「若林」
若林「‥‥!、名前‥‥」
原田「得してる奴ばっか見るな、損してる奴を見ろ」
得、してる人
牛久保「なに話してるのかな?」
明智「‥‥」
損、してる人
『……』
原田「若林、スタート地点に立ちたいんだろ?外したいって言ってたじゃないかマスク」
若林「‥‥外したい」
原田「よしっ。じゃあ飛べ!」
……え?
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作者名:皿うどん | 作成日時:2022年11月8日 21時