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とりあえず私に突き刺さる視線に気づかないフリをして、館内を走り回った。
良い子は絶対マネしないでね。by作者
とにかく早くカンチと合流したくて仕方がなかった。
A(アイツどこにいるんだよ!女の子に自分を探すためこんな広い館内走らせてんじゃねえよ!)
脳内でなかなか見つからないカンチへの愚痴が溢れる。
すると、西側の2階の美術展のコーナーで、ようやくカンチを見つけた。
カンチは、ショーウィンドウの中で黄金に輝く刀のような物を見て難しそうな顔をしていた。
カンチ「教科書で見たことあるけどこれってレプリカかな…」
なんでお前はここに来てまでそんな夢のない事が言えるんだよ!!
だってカンチには見えないといえど妖怪のいる世界だよ!?
夢で溢れかえってるよ!?ヤバいよ!?←?
そう脳内で文句垂れつつ、カンチに話しかけた。
A『カンチって、歴史とかそんなに興味ない感じ?』
カンチ「うーん…まあね。」
と素っ気なく答える。
カンチ「授業で習うから仕方なく勉強するけど、もっと化学的なことの方が好きだな。」
とカンチが呟く。
A『そっか…私バリバリ文系だから理科とかそういうのの良さが分かんないや…興味はあるけどさ。』
カンチ「やっぱり人間には向き不向きってものがあるよねぇ。」
A『うんうん。世の中、もっと人の向き不向きに沿った学習方法を教えてくれればいいのにねぇ。』
さっきまで脳内で文句垂れまくっていた私だが、今はそれも忘れて、カンチの言葉にコクコクと頷く。
カンチ「次はどこを見に行こうかな。」
そう呟いたカンチが歩き出す。
私はそれの後を追うようについていく。
もう逸れてまた走り回るようなことになるのだけはごめんだ。
するとカンチは、美術展のくるくると回る大きな星の形をしたオブジェの前で立ち止まる。
ワンフレンド「こんな大きな星が回ってるなんて…いったいどういう原理ワン…?」
ウィスパー「どうやら、人間界にも私たち妖怪が不思議に思うものはまだまだたくさんあるのですね。」
ウィスパーがしみじみと呟いた。
一方でまたカンチは難しそうな顔をしている。
すると短く
カンチ「回ってるね。」
とだけ言った。
正直、私もそれしか感想が浮かばなかったため、
A『うん。』
と一言だけ返す。
カンチ「正直ボクには理解できない芸術だけど、後世ではこれこそアートと呼ばれるのだろうね…」
やはり、人の心というのは難しいものだと思う。
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夢(プロフ) - イルカさん» 本当?!見てみる!! (7月12日 17時) (レス) id: 085c45e992 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 夢さん» 『なんか妖怪』さんが10周年記念に映画作ってた!めちゃくちゃ面白かったから機会があったら見てみ!最高だった! (7月12日 16時) (レス) @page14 id: b093c7cd53 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 10周年…早いなぁ…めでたいめでたい! (7月11日 22時) (レス) @page14 id: 085c45e992 (このIDを非表示/違反報告)
イルカ(プロフ) - 妖怪ウォッチ、10周年おめでとうー!! (7月11日 22時) (レス) id: b093c7cd53 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - イルカさん» うん!楽しみにしてるー! (7月6日 17時) (レス) id: 085c45e992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イルカ | 作成日時:2023年6月29日 20時