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第8話 ページ10

街中を駆けている中、人々の目がAのことを注目する。Aは昔、人の目を気にしていて外へ出ることがあまりなかった。今でも少し気にはするが、今は関係ない。アルスラーンを助けるために躊躇している暇などない。


「ダリューン!!」


ダリューンと呼ばれた者は、中々の美形、黒髪金眼で、筋肉質な男性だった。実はパルスの騎士で、その中ではとても腕の良い騎士だ。戦士の中の戦士(マルダーンフ・マルダーン)猛虎将軍(ショラ・セーナニー)など異名が付けられるほどの恐ろしさだった。


「お、王女!何故、このような人混みが多いところに……」
「決まっておろう!アルスラーンを助けるためにだ!!」


しばらく街中をかけていると、城の城壁に金髪の少年とアルスラーンがいた。
そこから二人一緒に飛び込み、ダリューンとAはすぐさま城の城壁へと駆けつけた。


「アルスラーン!!」
「殿下!!」


幸い、川に落ちて無傷だった。しかし、少年は既に馬を奪っていき、逃げようとしていた。Aはそれを見向きもせずアルスラーンを見て、ほっとした。


「良かった…!!アルスラーンのところに行ってくるな」
「はい」


ダリューンはすぐさま、自分の弓を構えて少年の方へと狙いを定めた。アルスラーンはそれをすぐに気付き、「ダリューン!!!待て!!!」と叫んだ。ダリューンもそれに気付いて戸惑ったのか、矢が外れた。それを見たアルスラーンはほっとしていた。


「アルスラーン殿下、御怪我は!?」
「大丈夫だ」
「街に出て早々誘拐されるバカがおるか」


Aはアルスラーンのおでこにデコピンをした。アルスラーンはおでこを抑え「は、はい…」と弱々しく答えた。


「何故、あの者を討つのをお止めになったのです?」
「いや…つい…」


その答えに二人は呆れた。しかしAは「まぁそれがアルスラーンの優しさかも知れんな…」と誰にも聞こえないように呟いた。


「分かりました。私が討ち損じたことにしておきます」
「おっ、優しいなダリューンは!」


そんな雰囲気の中、パルス兵に囚われている三人の子供達が、泣いていた。


「殿下!」
「申し訳ありません、殿下!」


この子供達がアルスラーンを誘拐したルシタニア兵の少年を誤って逃がしたのだろう。元はといえばこの三人が下手ことをしなければ、アルスラーンは誘拐されずに済んだはずだ。


「貴様らのせいで殿下の御命が危険にさらされたのだぞ!!覚悟はできておるのだろうな!!」







「良い。放してやれ」

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設定タグ:アルスラーン戦記 , 飛龍 , 水桜華   
作品ジャンル:アニメ
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ゆき - この作品にはまりました!どんどん更新してください!楽しみにしてます(^-^) (2016年3月18日 23時) (レス) id: 5fb2a3556e (このIDを非表示/違反報告)
水桜華(プロフ) - レッドび〜んさん» 有り難うございます!更新……是非早く更新出来るように頑張ります!! (2015年4月12日 21時) (レス) id: e9fbb0a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
レッドび〜ん - 面白いです!更新頑張って下さい、応援してます(^^) (2015年4月12日 17時) (レス) id: a96445016c (このIDを非表示/違反報告)
水桜華(プロフ) - カフラさん» ご指摘有難うございます!!私は頭が悪いので即位とか退位の意味がわかりませんでした……本当に有り難うございます!これからも頑張りたいと思います! (2015年4月11日 8時) (レス) id: e9fbb0a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
カフラ - おもしろいです!続きが楽しみです!ちなみに2話目ですが、即位とは王になることです。なので、アンドラゴラス王が退位しない限り、アルスラーンは即位出来ません。参考までに。 (2015年4月11日 3時) (レス) id: 46c73f3342 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水桜華 | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年4月7日 15時

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