5-3.グリーンとサンダー ページ3
｢いやぁ、悪かったな。てっきり敵さんのサーヴァントかと思ってね。はぁ〜焦った焦った｣
｢うん、まさかこんなに早く応援が来るとは思わなくてね｣
空から降ってくる狙撃をかいくぐりながら地上の男たちを倒していると、いつの間にか上からの攻撃が止んでいた。
何だかよく分からないけど好都合、と思って男たちを完全に駆逐すると、2人のアーチャーが物陰から現れた。
｢君、ジェロニモの所から来たんだろ？｣
｢いや、はぐれじゃねぇか？こんな姉ちゃん見たことないぜオレは｣
｢えっと…｣
言い淀む私を見て、2人は顔を見合わせた。
｢…怪しいな｣
｢でもケルトの奴らと戦ってたってことは実質僕らの味方じゃない？｣
｢いやいや、オレらを信用させるためにあえての同士討ちとかね。そういうの考えつきそうな顔してるしなぁ、オタク｣
ま、まずい。このままじゃまた銃弾と矢の雨が…
私は慌てて事情を説明して、何とか納得してもらった。
｢ふーん…ま、一応信じますよ。話の筋は通ってるし｣
｢じゃあ君のマスターと合流するまでは僕たちと行動した方がいいんじゃない？こっちも白兵戦の出来る人がいると助かるし…あぁ、グリーンは気にしないで。多分ずっとこの調子だから｣
とりあえず味方が出来て安心した。
グリーン、と呼ばれたアーチャーにはまだ疑われているみたいだけど。
｢僕のことはサンダーって呼んで。こっちはグリーン。で、君は？｣
｢Aです｣
｢アンタそれ真名か？｣
｢んー…違うと言えば違う…かな？｣
そんな曖昧な言い方をしてしまったために、グリーンからは更に訝しげな視線を向けられる。
｢まぁまぁグリーン、いざとなったら尻尾巻いて逃げればいいんだからさ｣
｢…ま、確かに裏切られたとしても逃げ切れる自信はありますけど？｣
｢…｣
妙にギクシャクした雰囲気を壊したのは、ケルトの男たちの雄叫びだった。
｢おっといけねぇ。じゃ、下の方は任せたぜAさん。流れ弾に当たんないように、せいぜい気をつけてくださいよ、っと｣
｢僕らもちゃんと働くから安心してねー｣
2人は別々の建物の屋根に登って身を隠した。
サンダーはいいとして、グリーンからどさくさに紛れて狙撃されそうで怖い。
そんなことを考えつつ、私は敵の数を確認した。
｢相変わらず多いな…｣
一人一人槍で倒していてはキリがない。
私は宝具で穴を2、3個開け、大小様々な魔獣の大軍を呼び寄せた。
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