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お肉をたらふく食べた後、何も用事が無かった私はそのまま家に帰ることにした。

その帰り道。

何気なくパーカーのポケットに手を突っ込むと、カサっと手応えを感じた。

取り出すと、そこには『貴女の頼れる相談役(コンサルタント) 太宰治』と…


「!?」


危うくその名刺(?)を投げ捨てるところだった。

い、いつの間に…

よく見ると、表には謎の二つ名と名前、裏には探偵社のものか、太宰さん本人のものか分からない電話番号があった。

電話番号の下には『※匿名でも構いません』と手書きで書かれている。

…掛けろ、ってこと?

中也さんに相談しようかとも思ったけど、あの人は 「死んでも関わるな」とか言いそうだから止めておこう。

参考にならん。

迷った私は、一旦家に帰ってから考えることにした。





私は電話を待っていた。

2人に気づかれないように入れておいた名刺。

そろそろ見つけた筈だ。

彼女は必ず連絡してくる…

そう確信していた。


静かな部屋に着信音が鳴り響く。

私は目の前に置いていた電話を手に取り、応答した。


「もしもし?」

「もしもし…あの…匿名でお願いしたいんですが…」

「やぁ、先刻振りだね。待ってたよ」

「…」


少しの間沈黙が流れる。

私は彼女が話し出すまで待っていた。


「あの…何故私に名刺を?」

「名刺?却説、何のことかな」

「…まぁいいです」

「それで…君は私に何か聞きたいことが有るんじゃないかな?」

「何故そう思うんです?」

「何故って、私は相談役だからね」

「…」


電話越しの溜息が聞こえてから、「分かりました」と彼女は言った。


「太宰さん。あなたの異能は“異能の無効化”ですね?」

「その通りだよ」

「では…あなたは私に以前会ったことがある。間違いないですか?」

「ああ、そうだよ」

「成程、やはりそうでしたか…」


何時かはこうなる気がしていた。

君が、自分を暗闇に引き摺り込んだ張本人に気付く日が必ず来ると。


「あなたは私の正体を知っているんですね」

「…そうだよ、『嵜上(さきがみ) A』さん」

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設定タグ:文スト , 中原中也 , ギャグ   
作品ジャンル:アニメ
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いむいむ - お母さんすげえ… (2018年6月4日 17時) (レス) id: dc78839770 (このIDを非表示/違反報告)
蘭香 - お母さん怖い…いやまじでこえぇ! (2018年5月20日 2時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キドホ x他1人 | 作成日時:2018年3月14日 21時

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