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「私の予言は必ず当たる…知ってると思うけど」
その予言、是非とも当たってほしい。
「送った手紙の内容はこうだ。『太宰 死歿せしむる時、汝らの凡る秘匿 公にならん』」
「…手前…」
「元幹部で裏切り者の私を捕縛した。だけど上層部に『太宰が死んだら組織の秘密がぜんぶバラされるよ』っていう手紙が届いた」
…ん?ちょっと今聞き捨てならないセリフが…
元幹部で裏切り者?
この人、元ポートマフィア…?
ってことはこの人が中也さんの────
驚きを隠せない私を他所に、2人の会話は進んでいく。
「そんな脅しにマフィアが日和ると思うか?手前は死ぬ、死刑だ」
「だろうね。けど、それは幹部会の決めることだ。それより前に私を勝手にどうこうしようものなら、独断行動で罷免か最悪処刑だ」
…どうしようもないんだ。
中也さんも青ざめている。
「ってことでやりたきゃどうぞ」
ニッコリ微笑む太宰さんに対して、怒りを隠しきれない中也さん。
中也さんは不意に拳を握り直したかと思うと、そのまま太宰さんの顔目掛けてパンチを繰り出そうとした。
「駄目ッ!」
私は異能を発動しようとしたが、少し遅かった。
中也さんの拳は太宰さんの顔の真横、左の頬を掠めて後ろの壁にめり込んでいた。
「…安心しろA、俺もそこまで莫迦じゃねぇ」
そして何かに気付いたようにユラリと後ずさった。
「手前の二番目の目的は俺に最悪の選択をさせることか」
「そ♡」
「俺が手前に嫌がらせをしに来たんじゃなく、手前が嫌がらせをする為に俺を待ってたって事か?」
太宰さんは笑う。
「感動の再会にこのくらいのサプライズは当然だろう?」
中也さんはこの世の終わりのような顔をしている。
絶望の淵に立たされているらしい。
「ちなみに…鎖を壊したのは君だ、中也。私がこのまま逃げたら君だけでなく、愛しのAちゃんまで逃亡を助けたと思われても仕方ないだろうねぇ」
「何だと…?」
「君が云うことを聞くなら探偵社の誰かが来た風に偽装してあげてもいいよ」
その言葉を聞いて、私は口を開いた。
「人虎に関しては芥川さんが仕切っています。記録は通信保管所に全て残っているはずです」
「おい」
「ありがとう、恩に着るよ」
「いいえ、私はただ中也さんの痴態が見たいだけですから」
「へぇ、君意外とSだねぇ」
「違います」
「というわけで早くやり給えよ中也」
「そうですよ早くやってください」
「手前ら…覚えてろよ…」
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いむいむ - お母さんすげえ… (2018年6月4日 17時) (レス) id: dc78839770 (このIDを非表示/違反報告)
蘭香 - お母さん怖い…いやまじでこえぇ! (2018年5月20日 2時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キドホ x他1人 | 作成日時:2018年3月14日 21時