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「ついて来い、面白ぇもん見せてやる」
という言葉につられて入ったこともない部屋にやってきた私。
そこには見知らぬ男が。
おお…私より背が高い。
男の前に立った中也さんと、思わず見比べてしまう。
「A、手前はそこで待ってろ」
「あれ、いつの間に彼女なんか作ってたの?やるねぇ」
「彼奴はただの部下だ!」
“部下”という部分を強調している。
…なんかなぁ…
「へぇ…彼女の方はなんだか不満そうだけど」
「は?」
「!?」
男はニヤつきながら、中也さんは驚きの目で私を見た。
「別に不満なんてないですよ?」
私は声が震えないように、本心が顔に出ないように細心の注意を払って答えた。
「ふぅん」
「何莫迦なこと言ってんだ」
「俺の部下を困らせてんじゃねぇよ」と男を睨む中也さん。
それにしても、彼は一体誰なんだろう?
知り合いっぽいけど。
「…で、手前ここへ何しに来た?捕まったのも態とだろうが」
中也さんは真剣な顔で問う。
…結構格好良い。
「
「その為に態々捕まったのか?健気なもんだなァ…」
中也さんはグスンと涙する演技をした。
勿論騙すつもりでやったわけではないだろう。
…そう信じたい。
「…だが太宰、俺が来たからにはその情報も得られねぇし、ここからも出られねぇ…残念だったな」
中也さんは勝ち誇ったように笑った。
「…ぷっ」
突然、太宰と呼ばれた男が吹き出した。
「…何がおかしい」
中也さんは不満気に睨む。
「良いことを教えよう中也…明日、五大幹部会がある」
「手前…随分とハッタリが下手になったじゃねぇか…」
流石に私も嘘だと思った。
五大幹部会なんて、そうそうあるものじゃない。
しかし、彼は表情を変えずに続ける。
「理由は私が先日ある手紙を組織上層部に送ったからだ…で、予言するんだけど…」
そこで彼はより一層微笑んだ。
「君は私を殺さない。しかも懸賞金の払い主に関する情報の在処を私に教えた上でこの部屋を出ていく…内股歩きのお嬢様口調でね」
「…はぁ!?」
な…なんだって…!?
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いむいむ - お母さんすげえ… (2018年6月4日 17時) (レス) id: dc78839770 (このIDを非表示/違反報告)
蘭香 - お母さん怖い…いやまじでこえぇ! (2018年5月20日 2時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キドホ x他1人 | 作成日時:2018年3月14日 21時